【声優・泰勇気の週末プラモ!】第4回 「プラクション」世代は感涙! あの日欲しかった黒いアイツをゲットしよう!「ブラック 龍神丸・戦神丸 セット」を作ってみた!
社会人ともなると忙しい毎日の中で積みプラが増えてしまいがち……。そんなあなたに代わって、ロボット&プラモデル大好き声優の泰勇気がプラモデル製作に挑戦するのが、この連載!
コンセプトは「忙しい社会人でも、週末の休みを使えばここまでできちゃうよ」。ルールは素組みで、1~2日の制作期間の2点のみ! この連載を読めば、きっとあなたの作ってみたいプラモデルと出会えるはずだ。
というわけで、「声優・泰勇気の週末プラモ!」第4回スタート!
第4回 PLAMAX MS-04 ブラック 龍神丸・戦神丸 セット
およそ30年前。筆者も夢中になるひとつのアニメが放映されていました。
そのタイトルこそ「魔神英雄伝ワタル」。
80年代末当時のRPGブームの影響からか、RPGの要素をアニメに取り込んだ意欲的な作品です。
主人公となる普通の小学四年生・戦部ワタルは、救世主として神部界にある創界山のふもとのモンジャ村に召喚されます。そして、悪の帝王「ドアクダー」によって光を奪われた創界山の七色の虹を取り戻すべく、仲間達や友達とともにドアクダー退治の冒険に旅立ちます。
本作の登場人物は「魔神(マシン)」と呼ばれる、デフォルメ体型のロボットに乗り込み戦うわけですが、今回ご紹介するのはワタルが乗っていた龍神丸と、序盤で仲間になるワタルの剣の師匠・剣部シバラク先生の乗る戦神丸のブラックバージョン。その名も「ブラック龍神丸・戦神丸セット」!
30年前にもタカラ(現・タカラトミー)さんから「プラクションシリーズ」というプラキットが発売されていて、これがまぁ大人気!! そんな中、いくつか限定版も発売されていまして、今回のアイテムは当時発売されていた「限定版 ブラック龍神丸・戦神丸セット」のオマージュアイテムなのです!!! 自分も当時確実に買っていたのに、いつの間にかどこかへ行ってしまった限定キット……。その暗い悲しみを、このキットで虹色に変えたいと思います!
前置きが長くなってしまいましたがまずはパッケージからご紹介しましょう。
単調になってしまいそうなほぼ黒一色のキット。しかし背景を虹色にしたり、龍のイラストを配置することで重厚感あふれるイラストに仕上がっています。
側面には完成見本や付属品の紹介。この付属品がまたいいんです。
こちらがブラック龍神丸のランナー。右端の1パーツのみ塗装済みになっています。龍神丸の頭部にある搭乗口のパーツですね。
こちらはブラック戦神丸のランナー。左下にある前腕外側のパーツが塗装済み。
実はこれもプラクション版のオマージュ。プラクション版も龍神丸の搭乗口は塗装済み、戦神丸の前腕はシール処理で同様の配色になっていました。担当者さん、よくリサーチしてらっしゃる!
その他の付属品は、フルカラー印刷の組立説明書と龍神丸、戦神丸用のシール、そして当時のプラクションでは本物のテレホンカードとして付属していた、戦神丸テレホンカードを再現できるシール! 細かいデザインは違いますが、イラスト部分は当時のまま! ここで1回泣きました。ぜひ皆さんにも、キットを購入して実物を見ていただきたい!
てなことで、2体合わせて45分くらいで組み上がってしまいました。所要時間まで当時のプラクション版と同じくらいか、それ以下です。「プラクション」シリーズはキットごとに腕を振りかぶったり武器が飛び出したりと、ワンタッチでアクションが楽しめるギミックが搭載されていたのが特徴で、それゆえに歯車の嚙み合わせなどを気にしながら組み立てなければならなかったのですが、そこを踏まえると本商品の難易度は当時のキットとそう変わらないように思います。それでいてスタイルはよくなっているんだから素晴らしい!
この2体の並びを見てまた泣きました(2回目)。
まずはブラック龍神丸から。ボディ全体がブラックなところへ鮮やかな額の赤と両肩の龍の紋章が目を引きます。目の部分はシールです。艶消し感のある黒が高級感を演出してます。
龍神丸といえばこの肩の爪。そしてやや下を向いたような頭部と3本の角。これぞ龍神丸というシルエット。指が3本なのは全魔神共通です。
アニメでは、召喚された龍神丸が一瞬だけ見せる背中が印象的でした。
そんな背中には登龍剣を背負っています。
光を当てるとほどよく形状が浮かび上がってきてかっこいいです。ひさしから覗く龍神丸の目がこれまたイイ。龍神丸の首周りって結構再現が難しい形状だと思っていたのですが、見事に立体化されてます。
首の可動範囲はこの通り。左右方向にちょびっと。
上下方向にもちょぴっと。これ以上動かそうとすると、パーツ数が増えてしまうので価格を抑えてキット化するには、これがちょうどいい塩梅なんだと思います。
それでも少ないパーツで可動範囲を広く持たせるための、ナイスなアイデアは随所に隠れています。肩は胴体側のブロック(飛龍拳のあたり)と連動してスイングさせることができるのです。
そのほか、肩の可動は軸接続部の回転と、水平方向へは肩の爪が当たるところまでといった感じ。
肘は前後におよそ45°ずつ曲げることが可能で、手首はボールジョイント。ある程度表情をつけることができます。そもそもこの体型で可動範囲を確保するとなると結構なパーツ数になってしまいコストが上昇。当時を懐かしんで手に取る、ライトなユーザーが気軽に買えない価格になってしまうと思うので、僕はこの可動範囲で十分だと感じています。
胴体には可動部はありません。
しかし本当にスタイルがいい。現代によみがえるプラクションといった感じです。
脚部も膝の可動はオミット。膝が曲がらなくてもそれほど困らないような体型ですからね。股関節と足首はボールジョイント接続。
登龍剣は「手に持たせる用」と、「背負わせる用」の2種類が付属。武器持ち手首は左右ともあります。
では、登龍剣を手にポーズショット!
龍神丸「登龍剣を使え!」
ワタル「よ~し! いくよ! 龍神丸!」
ワタル「でぇい!!」
龍神丸「ワタル! いまだ!」
ワタル「必殺! 登ー龍ー剣ー!」
続きましてブラック戦ちゃん。いってみましょう。
プラクションにはあった「×の字斬り」ギミックがオミットされた代わりに、スタイルはばっちり! PLAMAXの魔神シリーズとしては戦神丸が最初に発売されました。
わざわざ塗装してまで腕を赤くしてくれたことで、当時の限定版をなくしてしまった、あるいは手に入れられなかった人々の悲しみが癒されていきます。
さすまたは背中にマウント可能。
胴体(というか首というか)で左右にこの程度のスイングが可能
肩の接続軸で360°の回転、腕の水平方向へはおよそ90°ほど上げることが可能。
肘は前後に45°くらいずつ曲げられます。手首はボールジョイントなので結構表情をつけられます。
股関節、足首ともにボールジョイント接続。体型的に可動範囲は広くはないですけど、このくらいのアクションはできます。
刀は鞘におさまっているわけではなく、腰(脚?)に接続されている鞘の先端に刀の柄パーツが組み込まれている形。別パーツの刀を武器持ち手に持たせて遊ぶときは柄パーツを取り外します。
戦神丸はほぼ常に二刀流。いや~! 刀を持たせたらまた泣いてしまいました。
それでは二刀流で、ポーズ!
シバラク「野牛シバラク流、×の字斬りー!!」
シバラク「(ふっ、決まった)」
背中のさすまたも手に持たせることができます。
シバラク「この剣部シバラクが来たからにはもう安心ですぞぉ!」
それでですね、当時の「ブラック龍神丸」の肩の龍って蓄光になっていて光を当てておくと暗闇で光る仕様だったんですよ。いくらなんでも、そこまでは再現されてないだろうと説明書をよく読んだら……。
蓄光シールだったんですよ!! しかも目の部分も!! ここでまた泣きましたよ!! ここまでしてくれるのか! マックスファクトリーさんは!!
もちろん戦ちゃんの目も同じ蓄光シールになっています。
黒い成型色の場合、黒で墨入れはできないので、こういう場合はグレーなどの明るい色で墨入れをすることがあります。今回使ったのはタミヤさんのスミ入れ塗料(グレー)を使用。光を当てているとあまり目立たないかもしれませんが、真っ黒のままよりはディテールくっきりめになります。
画像だと頭部のスリットや肩の爪のディテールがわかりやすいでしょうか。
戦神丸もグレーで墨入れ。額の角飾りがわかりやすいでしょうか。
「ブラック龍神丸・戦神丸セット」をここまで再現してくれたということは、こりゃ雪印乳業限定「ゴールド龍王丸・ブラック邪虎丸」も期待しちゃっていいのかな!? てかドラゴンショップ(アニメ放送当時、原宿で展開していたアンテナショップ)限定だった七色の龍神丸なんかもぉ!?
なんて希望はいろいろとありますが、やっぱり今後もラインアップの充実に期待したいですね。8月には龍王丸が発売予定となっていますが、「プラクション」版でも人気だったこの魔神がどうキット化されるのか、実に楽しみです!!
きっと「おもしろカッコいい」仕上がりになるでしょう!
【商品情報】
■PLAMAX MS-04 ブラック 龍神丸・戦神丸 セット
・価格:4,815円(税別)
・仕様:PS&PE組み立て式プラスチックモデル
・ホイルシール付属
・ノンスケール
・全高:約80mm
・原型制作:ランペイジ
・発売元:マックスファクトリー
・販売元:グッドスマイルカンパニー
<泰勇気プロフィール>
1977年10月6日生まれの声優。
出演作は「刀剣乱舞-ONLINE-」宗三左文字、太郎太刀、「文豪とアルケミスト」佐藤春夫、「夢王国と100人の王子様」ラトリア、「第3次スーパーロボット大戦α~終焉の銀河~」クォヴレー・ゴードン、「獣装機攻ダンクーガノヴァ」ジョニー・バーネット、「超ロボット生命体トランスフォーマープライム」ホイルジャック、ビーコン、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」チェン・ジェン・イーなど多数。
©SUNRISE・R
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