1月18日より公開! 熱気あふれるアフレコの様子を語る「劇場版 ハイスクール・フリート」夏川椎菜×Lynn×古木のぞみ×種﨑敦美×黒瀬ゆうこインタビュー

2020年1月18日に全国ロードショーされる劇場アニメ「劇場版 ハイスクール・フリート」。2016年にTVアニメとして放送された「はいふり」が、ついに銀幕に帰ってくる!

劇場版の舞台となるのは、明乃たちが所属する横須賀女子海洋学校で開催される文化祭と体育祭を合わせたイベント「競闘遊戯会」だ。TVシリーズよりさらにたくましく成長した「晴風」メンバーはもちろん、呉・舞鶴・佐世保の生徒たちや新キャラクターも登場する「はいふり」史上最大の物語となる。

今回、大勢のキャスト陣より岬 明乃役の夏川椎菜さん、宗谷ましろ役のLynnさん、立石志摩役の古木のぞみさん、西崎芽依役の種﨑敦美さん、納沙幸子役の黒瀬ゆうこさんにインタビューを行った。
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──まずは「劇場版 ハイスクール・フリート」制作の話を聞いた感想を教えてください。

夏川 やっとこの日が来たのか! という感じでした。イベントなどで、来てくれるお客さんがアニメの続きを待ち望んでくれていることがすごく伝わってきていたので、発表の時、やっと言えたなという感じでした。

種﨑 最初は(2018年4月に横須賀HUMAXシネマズで開催された)放送開始2周年記念イベントで発表されたよね。

古木 私はその日は参加していなかったので、マネージャーさんから普通に聞いたと思います。最初にツイッターとかネットで情報が流れてきた時の感想は、やっぱり「お、おおぅ」だよね(笑)。いつか続きを作ってほしいと思っていたので、普通にすごく嬉しかったですね。

黒瀬 イベントの台本を読んでいたら、最後にサプライズで劇場版発表って書いてあったので「えーっ!?」ってなりました。こういう時は私たちにもサプライズになるのかなとイメージしてたんですが、台本に普通に書いてあるのを家で読んでぬるっと知ったので、私も最初は「お、おぅ」が近い感じでした(笑)。でも後から喜びが沸き上がってきました。

Lynn イベントでの発表の時はみんなすごく喜んでくれて、待っていてくれたんだなって感じました。

──劇場版の台本を最初にもらった時の気持ちと、物語の印象を教えてください。

古木 私は「よっしゃ続きが読める!」という感じで、いち読者(視聴者)に近い感じでした。台本が分厚くてびっくりしたので、時間が取れる時に「よし!」と思って読みました。こういうのを待っていた感じのシーンが来るたびに「また『はいふり』を演じられるね!」と読みながら嬉しかったです。

夏川 台本を読んだ時点で、みんなならこういう感じに演じるのかな、って浮かぶよね。

種﨑 明乃とましろ2人のキービジュアルがあるんじゃないですか。あの絵のイメージのお話だなって思いました。

Lynn たしかにあのイメージ通りの感じがした。

夏川 キャッチコピーの「守るべき艦(いえ)、進むべき航路(みらい)」というフレーズと合わさって、あ、そういうことなのかなと、ざわっとくる感じがありました。

黒瀬 2人のあんな表情、なかなか見ないもんね。

Lynn TVシリーズで一度みんなが家族になる感じがあったのですが、その先の物語や関係が深まっていく様子を描いてもらえるのは嬉しかったですね。ましろちゃんは大変だな、と思いました(笑)。ほかの船がいっぱい出てきて、ただでさえ多いキャラクターがまた増えるんだとびっくりもしました。

夏川 キャストが増えてにぎやかで楽しくなるいっぽう、明乃としてはさびしかったり複雑な気持ちになる場面が結構出ているなと思いました。あとはTVシリーズから劇場版まで通して、いよいよ明乃が船のお父さん(の立ち位置)が極まってきているなと。まとめ役というか、一歩引いて見守っている感じというか。

種﨑 学園祭の準備を見て回っている時とか、ご夫婦での巡回でしたもんね。

Lynn 不思議な感じだった!

夏川 お祭りの準備って場なんだけど、はしゃぎきれてない感じ(笑)。大人になったなと思うと同時に、それがちょっとさびしくもあったりして。明乃以外の仲間たちの有能感も今回描かれてるなぁと思いました。「晴風」ってTVアニメでは劣等生の集まりみたいな描かれ方だったけど、実はみんな有能だなと思って。

Lynn いろんな経験をしてきたたくましさを感じました。

──劇場版で気になったキャラクターや見どころ、注目ポイントがあれば教えてください。

夏川 万里小路さんがなぎなたを持っていたり、戦闘員であることは知っていたんですが、おとなしくておしとやかな印象があったので、こんなに機敏に動いてかっこいいんだなと思って、ドキッとしました。

Lynn 宗谷家がすごい。みなさまりりしくてかっこよくて、本当にすごいファミリーだと思いました。

夏川 好きだよ、宗谷家……。

Lynn 周りの人たちの、船の上でのかっこいい一面が見られたり、過去シーンではちっちゃいましろちゃんが見れるのもポイントです。

古木 これは言っていいのかな? 今回、グローバルだったよね!

一同 あー!

古木 方言も含めて、たくさんの言語が登場する作品だと思います。ドイツ語とかもありました。言葉周りのシーンを担当している人たちは大変そうだし、すごい!と思いました。新キャラクターのスーは大空直美さんが演じてるんですが、ネイティブの人と会話するシーンがあったりして。

Lynn TVシリーズでは日本語でしゃべってたところが、ドイツ語ベースになってたりしたね。

黒瀬 外国語はほんとすごくて。ミーちゃん(ヴィルヘルミーナ)がドイツ語を話してるのを見て、そういえばミーちゃんドイツ人だったと思ったりして。緊迫したシーンで外国語に感情を乗せるのってとても難しいと思うんですよ。五十嵐裕美さんによると、会話のスピードで話しているドイツ語の音源を渡されて、それを聞いて耳コピして…って感じだったみたいです。

種﨑 私は前半の、各キャラクターがそれぞれのキャラらしくしているシーン、コントと言っていいのでしょうか。

夏川 新ネタをやらせていただきましたね。

種﨑 そこは見どころだと思います。戦い以外でもいろんなことをやっています。

──新キャラクターのスーについてもうかがいます。明乃とましろが面倒を見ている感じですね。

夏川 無邪気な子供に見えて、時々どきっとすることを言うんですよね。スーが現れるタイミングって明乃とシロちゃんの関係性がちょっと複雑な時なんです。そんな時にスーが何かを察して2人の間を取り持ってくれるのが、本当に「子はかすがい」みたいな感じで(笑)。だからあなどれないところもありつつ、基本的には無邪気でかわいらしくて明るくて。TVシリーズの明乃の無邪気さはスーが引き継いでるのかなと思いました。

Lynn すごくドキッとすることをサラッと言ったりするんですよね。その視点がちょっと大人になると忘れちゃうようなことだったり、ましろ的には彼女の無邪気な言葉ではっと気づかされることがあったりします。とても重要なキーパーソンです。

──アフレコについてもうかがっていきたいと思います。そんなに大きなスタジオではないですが、ものすごい人数ですよね。

一同 多かった!

Lynn 55人です。

夏川 55人!

種﨑 正直、椅子には座れてなかったですね。

Lynn 録り方としてはそのシーンに出る人だけブースに入って、それ以外の人は外に待機で入れ替わる感じだったんですけど、ブース外にも入りきれてなくて、スタジオの別のフロアまで使わせていただいて…。

黒瀬 給食みたいにお弁当配られたりする時間もあって、学校みたいでした。 

種﨑 監督とかスタッフさんが挨拶してくれる時、キャストが体育座りで話を聞いているという光景を初めて見ました。収録中もマイクの裏側まで人がいたりしたので、ガヤの音とか大丈夫かなと思いました。

Lynn たしか(ブース内の)上のほうに、全部の音が拾える別のマイクがついていた気がする。

黒瀬 空き時間に地べたに座って怖い話したのが楽しかったです。菊地瞳ちゃん、澤田美晴ちゃん、田中美海ちゃん、山下七海ちゃん、新田ひよりちゃんと怖い話をする会をしました(笑)。主に怖い話をしていたのが私とみにゃみ(田中美海)で、ひよりちゃんがすごい怖がってました。

種﨑 そういうグループがあちこちにできていたんだよね。

──収録面や演技面で印象に残ったことはありますか?

夏川 今回大人組、それこそ宗谷家のお姉さま方とかに大人ならではの緊迫感があるシーンがあって新鮮でした。本格的すぎて「はいふり」じゃないみたいって思いました(笑)。

黒瀬 コントのシーンで尺がない中できっちり納める種﨑さんは天才だと思いました。ただ早口なだけじゃなくて、面白いんですよ。

種﨑 これで面白くなかったらどうしよう、ドキドキする(笑)。あとは「はいふり」の現場が初めての人もいて、特有の言葉とか言い回しがあったりするので。

夏川 「はいふり」の洗礼だよね。

古木 TVシリーズで結構な量の専門用語を話したと思うんだけど、まだまだあるもんだと思いました(笑)。

Lynn 本職の方が監修に来てくださるんですが、プロから見てもこれは難しい用語ですっておっしゃってました。

古木 実演してくださるんですが、それが高校生の女の子の言い方だとどうなりますか…?みたいな(笑)。

──ちなみに横須賀にゆかりのある本作ですが、横須賀にまつわる思い出とかってありますか?

Lynn 私、横須賀にイベントでは行ってるのに、カレーは食べられていないんです。レトルトカレーはいただいたんですが。

夏川 それはもったいない!

黒瀬 イベントのケータリングでカレーがあったりするよね。最初の赤道祭ではあった気がする。

古木 横須賀に(プライベートの)ツアーで行ったりしたよね。

黒瀬 この3人(黒瀬さん、古木さん、種﨑さん)と菊池瞳ちゃんで行きました。

古木 黒瀬ちんがすごくて、スケジュールの組み立てとか、お店選びとかしてくれるんですよ。

黒瀬 地図も印刷していったりします。

夏川 すごくココちゃんっぽい!

種﨑 カレーとチーズケーキを食べました、おいしかったです。作品に出てきたものは食べておきたい!

古木 あと和菓子のさかくら(総本家)さんにも行ったよね。さかくらさんが作った万里小路さんのお誕生日記念プリンを中村桜さんにいただいて感動したのも覚えてます。

黒瀬 さかくらさん行くとね、「あ、ココちゃん」って呼んでくれる。

夏川 素敵!!

黒瀬 さかくらさんが水害で大変だったと聞いた時は、心配だったのでお店の再開日にうかがいました。

──最後に、この記事は2020年の新年に掲載されます。ご自身と「はいふり」の新年の抱負で締めさせていただきたいと思います。

古木 私は2020年に公開される「劇場版 ハイスクール・フリート」が2020年で一番の大ヒット映画になると信じています! 個人的には、「はいふり」のイベントとかでほかの土地に行ける機会があったら、その土地のおいしいものを食べるぞというのが目標です。

黒瀬 「はいふり」の劇場版、本当に待ちに待った大好きな作品なので。私はもう、「劇場版 ハイスクール・フリート」とともに燃えたいと思います! 私の声優生命は「はいふり」とともに始まり「はいふり」と共に……。

夏川 終わらないで!

黒瀬 あはは、ありがとうがんばる(笑)。「はいふり」ファンの皆さんとたくさん楽しみたいと思います!

種﨑 毎年、仕事も含めて前の年よりよい年に、を目標として掲げているんです。2020年はたぶん「はいふり」で幕を開けると思うので、一緒に波に乗りたいと思います!

Lynn 波に乗ってみんな、元気に旅をするんだよ。新しい年とともに新しい「はいふり」のさわやかな風が吹くんじゃないかと思います。私の目標は、変わらず、がんばる。「劇場版ハイスクール・フリート」、見てね。

夏川 私も、2020年は「劇場版はいふり」でスタートになると思うので、この作品と一緒にがんばっていきたいと思います。さわやかな物語になっているので、私もそのさわやかさを受け取って素敵な1年になればと思っています。「劇場版 ハイスクール・フリート」、よろしくお願いします!

(取材・文:中里キリ)

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