「エヴァ」が日本の夏を盛り上げる！和太鼓アレンジで生まれ変わった「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPRIT」発売記念、高橋洋子フリーライブレポ＆インタビュー！

歌手・高橋洋子さんが、2019年7月24日、新宿・西武新宿PePe横の広場でフリーライブを開催した。

今回のフリーライブは、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」OPテーマ「残酷な天使のテーゼ」を、日本の祭りをイメージした和太鼓でアレンジしたニューシングル「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPRIT」の発売を記念したもの。

前日までのじめじめした空気から一転、夏の到来を告げる暑気に満ちた新宿の街に、力強い高橋さんの歌声と和太鼓のサウンドが響き渡った。

今回はそのフリーライブの模様と、「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPRIT」に寄せた高橋洋子さんのインタビューをお届けしよう。

夕暮れの新宿に響き渡る「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPRIT」！

夕方6時をまわると、広場の向かいにあるユニカビジョンに「エヴァ」の名場面を切り張りした映像が流れ、西武新宿PePe2階のバルコニーに高橋洋子さんが登場。

広場に集まった大勢の観客から大きな歓声があがると、「魂のルフラン」（「新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生」主題歌）からライブはスタートした。

通行人の中には、突然始まったアニソンライブに驚きつつも足を止めてステージを見上げる人もちらほら。なかには、拳をあげて早くもノリノリな人もいた。

続いて披露されたのは、新曲「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPRIT」だ。高橋さんのライブではおなじみの男性ダンサーも登場。夜叉のお面と半被というお祭りスタイルで登場した2人と一緒に高橋さんは熱唱した。

和太鼓の力強いビートに乗せて高橋さんが歌い上げる「残酷な天使のテーゼ」は、こういう楽曲の解釈もあるのかと驚かされるばかり。自然と体を揺らしたり、手を叩きたくなるのは日本人の性だろうか。いやいや、盛り上がっている観客を見れば人種・国籍など関係ないではないか！生まれ変わった名曲アニメソングが、日本の初夏を盛り上げた。

ライブ後半は、「暫し空に祈りて」（パチスロ「EVANGELION」テーマソング）、「残酷な天使のテーゼ」を披露。テンション高めの2曲を歌い上げライブは終了となった。

今後、高橋さんは日本国内の盆踊り大会や夏祭りに出演。「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPRIT」を披露していくそうなので、ぜひ足を運んで生まれ変わった楽曲で歌い踊っていただきたい！

フリーライブ記念、高橋洋子インタビュー！

──「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPRIT」を制作の経緯を教えてください。

高橋　日本の夏と言えば「祭り」。そして来年は「新劇場版ヱヴァンゲリヲン」最終章の映画が控えているということで、私は応援団長になったつもりですべてのことを盛り上げていきたいと思っています。

今、私はワールドツアー中でいろんな国に行っているのですが、アニメソングは国境を超える最強のパスポートになってくれて、どの国でも　アニメを好きな方たちが一緒に歌を歌ってくださるという現象が起きています。その中で、さらに「祭り」とか「盆踊り」という日本の素晴らしい文化も共有していきたいという思いから、今回、「残酷な天使のテーゼ　MATSURI SPIRIT」という作品を作らせていただきました。

──リスナーの皆さんには、どのように楽しんでいただきたいですか？

高橋　今回は和というところにこだわって、「太鼓の神様」ともいわれる林永哲さんに演奏をお願いいたしました。「太鼓と歌」というのはけっこう難しい表現だったんですが、「鼓舞する」という言葉の中に太鼓の文字が入っているように、なぜか日本人というのは祭りの音を聞くと魂が騒ぎ出す傾向があると思っています。なので、今回の曲もそういう部分を楽しんでいただきたいと思います。

また、振り付けは日本民踊鳳蝶流家元師範の鳳蝶美成（あげはびじょう）先生にお願いしたのですが、2回くらい練習すると踊れてしまうというちょうどいい難しさの曲になっています。皆さんと一緒にやぐらを囲んで歌って、踊って、とエンジョイできる仕上がりになっていますので、これを世界にも持っていきたいと思っています。

──完成した楽曲を聴かれて、どのように思いましたか？

高橋　スタッフの皆さんと一緒に相談しながら制作させいきましたが、自分の中では最初から太鼓のサウンドが「残酷な天使のテーゼ」を夏に導いてくれると思ったので、私としては違和感ございません。ただ初めて聴かれた方は「祭り？」ってびっくりされますね。とはいえ、何度か聴かれるうちに「これはすごくいいね」と言ってくださるので、自身をもって世界に届けていきたいと思います。

──原曲と歌い方の違いなどはありますか？

高橋　あります。今回の音源には、1995年の歌素材を使っているのですが、それ以外はすべて新しく録り直しています。それは「エヴァンゲリオンは本物である」というところにこだわったためです。ですが、皆さんにライブで楽しんでいただくこともとても大事なので、ステージではその場で感じたことを精一杯歌うようにしています。

──今日の衣装のコンセプトを教えてください。

高橋　「エヴァンゲリオン・スピリット」というものを、今の高橋洋子が表現するとしたら一番いい形は何か、というコンセプトでデザイナーさんにデザインしていただきました。「私」を見てほしいというよりは、「こういう風に見えてほしい」、または「こういうものを見て楽しんでいただきたい」と考えて、このようなスタイルになりました。ちょっとコンビニなどには行きにくい衣装なのですが（笑）、海外の皆さんは喜んでくださっています。

──ミュージックビデオも撮影されていますね。

高橋　日本を見ていただきたいということで、お寺などをお借りして撮影もしましたけど、こういった場所（新宿などの繁華街）も「日本だ」と皆さんに理解していただくことも多いので、なるべく普通の場所を背景に撮影させていただきました。

──7月頭には、フランスで行われた「JAPAN EXPO」に出演されましたが、海外の方の反応はいかがでしたか？

高橋「JAPAN EXPO」で「残酷な天使のテーゼ　MATSURI SPIRIT」をライブ初披露させていただいたんですが、その場で皆さんと振りを練習して大変盛り上がったので、「これはいける」と確信しました。

「JAPAN EXPO」では、皆さん純粋に「エヴァ」が好きで応援してくれていることを感じましたし、それ以上に内容を深く理解してくださって、より高い評価をしてくれていることを痛感しました。

──最終章である「シン・エヴァンゲリオン劇場版」については、どのような思いがありますか？

高橋　正直すごく寂しくて、真剣に考えると泣きそうになるんですけど、まだ映画は完成してませんし、TVシリーズも6月よりNetflixでいつでも見られるようになっています。私ももう2周しました。皆さんも、もう一度見返していただいて、最高の状態で映画を迎えられるように一緒に応援していただけたらと思います。