日本の伝統「日本酒」と、シュールでコミカルな「ワニの日常」がガチャになった!【ワッキー貝山の最新ガチャ探訪 第30回】

いきなりですが、私のコレクションが満載のヴィンテージカプセルトイ展示会が、2019年8月12日(月祝)まで女川原子力発電所PRセンターにて開催中! 8月10日(土)午前11時からは、トークショーも開催しますよ。

コラムをいつも読んでくださっている皆様! ぜひ、東北は宮城県女川に来てけさいん(宮城弁で来てくださいという意味です)!

というわけで、カプセルトイコンシェルジュ「ワッキー貝山」が、最新カプセルトイからナイスなアイテムをチョイスする渾身のコラム。今回も超クールなグッズを紹介しますよ!

「SAKEミニチュアコレクション 京都 月桂冠編」 ケンエレファント 400円 全6種

酒好きの私には最高のカプセルトイですね。発売元は造形力に定評がある「ケンエレファント」さん。このコラムでは、久々の登場です(連載第7回以来!)。

今回ガチャになったのは、海外でもファンが急増中の「日本酒」。海外に誇る食のカルチャーと、近年ますますインバウンド化が進んでいるカプセルトイががっちりとコラボしたこのアイテムには、ワクワクが止まりません。ミニブックも日本語だけでなく、英語の注釈も入っており、さらに気分が盛り上がります。

さて、今回商品化したラインアップを見ると……。ちょっとマニアックなチョイスに思わず震えました。ぜひここからは、お酒を飲みながら読み進めてくださいませ。極上な大人タイムが過ごせますよ。

・一升びん上撰

そういえば叔父さん、お盆の晩に飲み過ぎてこの瓶を抱えて寝転がっていたっけ……。なんて夏ならではの思い出も交えつつスタートしましょう。スタンダードなシュッとしたフォルムの一升瓶に、おなじみの重厚感のあるラベル。さらにロゴ入り升と、酒の色を見るための二重線が底に引かれているお猪口。芸の細かさに、もう泥酔しそう。

・月桂冠レトロボトル

駅弁と一緒に楽しんでもらおうと、20世紀に入り開発されたのがこのボトルタイプ。紹興酒の瓶にも似た形で、かなりハイカラな印象の瓶を見事に再現しています。瓶の口に被せてあるグラスにも注目。針金で固定され、グラグラと動くところまできちんと再現されている精巧さに感動。造形師のこだわりを、ひしひしと感じます。

・四斗酒樽

インパクトがあるどっしりとした姿からは、お祝い事にはなくてはならない存在感を放っています。鏡割りで使うと言えばわかりますかね。輸送時に保護するために巻かれたという細かい縄も忠実に再現! この造形美!

そして、印刷された文字などもしっかりと再現。これは誰もが納得の出来でしょう。

それにしてもこの重厚感に対し、軽々と片手で持てる酒樽というのが実に面白い(ミニチュアなので)。

・杉玉

これは何? なんて質問が出そうですが、「新酒ができました」とお知らせするために、酒屋の軒先に吊るすくす玉みたいなものなんです! 新酒の仕込みが始まる時の緑々しいものをセレクト。この杉玉が枯れて、徐々に茶色くなっていく様子が、お酒の熟成具合を物語ってくれるのです。杜氏の皆さん! がんばってください!

・野球小僧看板

昭和9年に来日した野球の神様「ベーブ・ルース」にちなんで制作された看板が、まさかのフィギュア化。瓶詰酒に力を入れていた「月桂冠」が、取扱店に置かせていたらしい。コミカルなイラストは本人にはさほど似ていないが、バットを一升瓶に持ち替えたインパクトは、ミニチュアでもビンビンに感じます。

・内蔵酒造場

これが一番度肝を抜かれました。なんと、酒蔵そのものを商品化。明治39年に建造された酒造群だそうです。建物、塔、大きな柳。濠の水辺には観光船の十石舟がゆらりゆらり。きれいな水もお酒には欠かせないということで、川ごと造形化したんでしょうか? すごいこだわりです。自然豊かな場所でつくるお酒はきっとうまいんだろうなぁ。そんなことも思わせてくれる傑作フィギュアです。

なお、本商品は「月桂冠大倉記念館」をはじめ、全国でも販売されているそうです。酒好きもそうでない人も見つけたら迷わず即買いですな。

「クロコダイルの日常」 タカラトミーアーツ 300円 全4種

何をやってもうまくいかず、うんざりしている人いますかぁ! そんな皆様に朗報! 「ワニ」に生まれたからこそ起きた悲劇を、ユーモラスかつポジティブに考えていこうじゃないかというカプセルトイが登場です。

いざカプセルから取り出すと、一瞬、言葉を失います。その後、じわじわと面白みがこみ上げてきます。なるほど! これが、ヒトや動物の不憫な人間生活を描く「Keigo」さんの世界。それではクロコダイルたちが生活する、パラレルワールドへの扉を開いてまいりましょう。

・バイオリン


口が大きい、しかも長い。なので、楽器が弾けない……その前に手元が見えない。そんな逆境の中、彼はどうするのか? タキシードまで新調したのに……。

ん? 爬虫類特有のざらざらな皮膚を弦で引けば、いい音、奏でんじゃね……? なんて期待しましたが、何もできず……微動だにしない……「バイオリンが、弾けない」。

・シンバル

最後の最後に演奏全体を引き締める。そんな大役を引き受けた彼。楽器自体が大きくなればなるほど、悩みも大きくなる。

さあ、考えている間にも刻一刻とその瞬間が近づいてくるのですが……「シンバルが、叩けない。」

・はしご


父親の威厳を示そうと、率先してはしごを登ろうとしたが、一段目で断念……。口が縮めば、簡単に登れるのにぃ。顔を突っ込んでいる姿に哀愁を感じます。じっと見つめないでください。自分で何とかしますから……「はしごが、のぼれない。」

・接吻

愛しさと……切なさと……。こんなにチュッチュできるのに。ぎゅっとはできない。ついには自分で自分を抱きしめちゃいました。思わず「寒いの?」なんて声をかけたくなりますが、違うんです。愛を確かめたいんです……「抱きしめられない」

クスっと笑える不思議な世界に中毒者が続出中です。ホラ、悩んでいたことがバカらしくなってきませんか?

<プロフィール>

ワッキー貝山

フリータレント兼ガチャガチャコレクター(カプセリスト)

7歳からガチャガチャを集めだし、10万個所有。「愛しのインチキガチャガチャーコスモスの全て」「素晴らしきインチキガチャガチャの世界―コスモスよ永遠に」「最終決定版!インチキガチャガチャの真相―コスモス、その愛」(双葉社)「日本懐かしガチャガチャ大全」(辰巳出版)などの関連本を出している。

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