【インタビュー】この夏はMay’nの新曲がたっぷり聴ける! ニューシングル「牙と翼」、2ndミニアルバム「YELL!!」が同時発売!!
10周年を越え、ますます精力的に活動するMay'n。ニューシングル「牙と翼」と、10年の想いをこめたミニアルバム「YELL!!」が、同時発売されることになった。TVアニメ「胡蝶綺 ~若き信長~」のエンディングテーマであり、fhánaの佐藤純一がアレンジを手がけたことでも注目の「牙と翼」。LiSA、ファンキー加藤、Sonar Pocket、鷺巣詩郎、大塚 愛、田中秀和といった豪華作家陣による「YELL!!」と、どちらも強力盤となった!
「牙と翼」は、帰蝶の想いを描きつつ、「胡蝶綺」の世界観全体を表現した曲です
──「牙と翼」は、TVアニメ「胡蝶綺 ~若き信長~」のエンディングテーマです。どのようなコンセプトで作っていったのでしょうか?
May'n 「男性的でもあり女性的でもある楽曲で、信長というよりもむしろ、帰蝶をイメージさせる曲」というのがオファーでした。候補曲を聴く中で、川崎智哉さんが書かれたこの曲が、生きるか死ぬかという戦国時代の過酷な状況の中で繰り広げられる作品の世界観に一番合っていると思い、選ばせていただきました。
──たしかに、緊張感があるメロディです。
May'n デモの段階では、もっとアグレッシブで男性的でした。そこにアレンジによって女性的なやわらかさを加えたら、もっと作品に合うと思って、次はどなたにアレンジをお願いするか考えました。
──そこで出てきたのが、fhánaの佐藤純一さんだったんですね。
May'n 初めてご一緒させていただいたのですが、fhánaさんの音楽は以前からよく聴いていて、佐藤さんがお作りになる曲は、どれも凜とした美しさがあると感じていました。
──アレンジによって、曲の印象はどう変わりましたか?
May'n 女性らしいやわらかさが出たのと同時に和のテイストが加わりました。アレンジをお願いするにあたって、和楽器を入れていただいてもいいかなと思っていたところに、佐藤さんから、あえてストリングスを使って、和の響きを作ってみるのはどうでしょう、とご提案いただきました。「胡蝶綺」の和の世界観を感じさせるとともにMay'nらしさを失わない、素敵な曲に仕上げてくださいました。
──作詞は宮川弾さんです。歌詞の印象はいかがですか?
May'n 信長やそのほかのキャラクターをイメージして聴くこともできる歌詞でありながら、帰蝶の心情を見事に表現してくださったと思います。帰蝶は、いろいろな葛藤や秘密を抱えて生きているキャラクターで、歌詞には彼女の内に秘めた強さを感じることができました。「牙と翼」というタイトルにも、強さとやさしさの両方を感じました。
──ボーカルのレコーディングでは、どんなことに気を配りましたか?
May'n やはり美しさですね。本来の私だったら、もっと強くアグレッシブに歌う部分も、今回はあえて力をそぎ落として、滑らかに歌うよう意識しました。帰蝶だけでなく、私たちの誰もが、心の中に秘密や葛藤をかかえて生きていると思います。帰蝶の生き方に自分自身の思いを重ねて、リアルな気持ちで歌うことができました。
──歌詞もサウンド感もボーカルも、とても壮大な曲になったと思います。
May'n 大きな世界観を持った曲で、空高く飛翔するというよりも、大地の広がりを感じさせてくれます。その地に足が着いた感じも、女性的だなと思いました。
──包容力のある楽曲といっていいかもしれませんね。ミュージックビデオ(MV)も拝見しましたが、映像も男性的であると同時に女性的でした。洞窟のある滝で撮影されたシーンが、特にインパクトがありました。あれは千葉県にある濃溝の滝(亀岩の洞窟)ですよね。
May'n 私は今回の撮影で初めて知りましたが、とてもきれいなスポットでした。朝早くの撮影でしたが、すでに観光客の方がたくさんいらっしゃって、申し訳ない気持ちで撮影していました(笑)。
──壮大な景色が出てくるんですが、May'nさんの衣装はフェミニンで、そこにもいい意味でのギャップがありました。
May'n 部屋の中から出て、広い世界を旅するというのが、MVのテーマです。衣装はやわらかい紫で、フリフリのレースがついていて、仕事でもプライベートでも着たことがない服だったので新鮮でした。でも、あの衣装で川や湖や森といった自然の中に入っていくと、逆にミステリアスな雰囲気になりました。今回のMVはスタッフさんがほとんど女性で、女性ならではの質感が出ていたと思います。
──自然がたくさん出てくるので、「胡蝶綺」の世界とリンクさせて見ることもできます。
May'n 不思議なことに、何百年も前にタイムスリップした感がありますね。本格的なロケをしたこともあって、私にとって初めてのタイプのMVになりました。
──2曲目の『「愛してる」なんて』は、とてもやわらかなラブソングですね。
May'n この曲は、歌詞を小澤ちひろちゃんに書いていただいたことが、大きなポイントです。彼女はシンガーソングライターで、私の高校生時代からの友人です。高校の頃からずっと仲がいい4人組がいて、そのうちの2人が最近続けて結婚しまして、私とちひろちゃんで結婚について語り合うことが多くて、2人の共通した想いを曲にしようと思いました。
──「鮮やかなステンドグラス」という歌詞から始まる曲で、結婚がテーマというのは納得です。
May'n ずっと誰かと一緒にいることって、すごいことだと思います。「愛してる」というのは、たしかに大切な言葉ですが、それだけでは2人の生活は成り立たないですよね。一緒にいればケンカすることもあるし、相手のイヤな面が見えてしまうこともある。そんな中でずっと変わらずにいつだって相手に向かって言えるのは、その人の名前なんですね。「ずっとあなたの名前を呼んでいたい」という想いが、この曲で一番表現したいことで、『「愛してる」なんて』というタイトルも、そこから付けました。
──そういう意味では大人のラブソングですよね。
May'n はい。こういう曲を歌えるのも、年齢を重ねてきたからだなって思います。May’nとしても、10年の時を重ねてきたからこそ歌える曲にたどり着いた気がしました。
──3曲目の「Starring」は、2019年1月に配信限定でリリースされた曲の初CD化で、PCゲーム「恒星少女- Do The Scientists Dream of Girls' Asterism?」のオープニングテーマです。勢いがあってキャッチーで、歌詞はMay'nさん自身で書かれています。
May'n すでにライブで披露していますが、みんなすごく盛り上がってくれる曲です。歌詞はゲームの世界観に寄り添いながら、私自身が伝えたいことを書いていきました。
──どんなことをテーマにしたのでしょうか?
May'n 「誰もが自分の人生の主人公だよ」という私からみんなへのメッセージです。自分の未来は自分にしか掴めないものですし、そのためにはまずは自分を信じることが大切だと思います。この曲から、明日へ向かうパワーを感じ取っていただけたらうれしいです。
──ネガティブな感情も歌詞の中で描かれていて、単に前向きなだけでない深みを感じました。
May'n 目標に向かってがんばっていても、どうしても不安な気持ちは生まれてくるじゃないですか。そこから目を逸らさずに、明日をつかむ曲を書きたいなと思いました。
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