人気声優の歌声とバンドサウンドでおなか一杯に!? 「バンめし♪」ファーストライブ「白兎団本部集会~Blanc Bunny Bandit 1st LIVE」ライブレポ!
コナミデジタルエンタテインメントのキャラクター音楽コンテンツ「バンめし♪」のファーストライブ「白兎団本部集会~Blanc Bunny Bandit 1st LIVE」が、2019年7月14日に開催された。オールスタンディングの新宿ReNYが満員になったライブの模様(夜の部)をレポート!
「バンめし♪」(「バンドでめしを食べるのは大変なこと。」/企画 :TOMOSUKE、キャラクターデザイン:CUTEG)は、とある地方都市に住む女の子たちが秘密クラブ「白兎団」(しろうさぎだん)を結成し、バンドでの音楽発信を中心にさまざまな活動をしていく物語。退屈な日常、そしてキャラクターそれぞれに決められた未来があるのだが、そんな束縛から解放されるためにロックをかき鳴らす!
また「バンめし♪」は、2012年からスタートしている「地域活性化」をテーマにしたキャラクターバンドコンテンツ「ひなビタ♪」と同一世界上の物語としており、コンポーザーとして、やぎぬまかなさん(ex.カラスは真っ白)などを迎え、ハイセンスなロックチューンを発信し続けている。その尖った楽曲に共感しているファンも多いだろう。
その「バンめし♪」待望のファーストライブが開催されるということで、スタンディングの新宿ReNYは超満員。ステージに立ったのは、Blanc Bunny Bandit[栗花落夜風(CV:楠木ともり)、吉廻千代(CV:高橋未奈美)、黒川亜理紗(CV:安井咲希)、百武もなか(CV:田中貴子)]と、サポートメンバー[Gt./Cho.やぎぬまかな(ex カラスは真っ白) Gt.qurosawa Ba.大澤伸広 Key.飯島快雪 Dr.ワタナベタカシ]。サポートメンバーが全力でロックを奏で、4人のボーカリストが全力でロックを歌いあげるというライブになった。
メンバーがメインビジュアルをモチーフにした衣装を着て登場。オープニングは新曲「共鳴性白染自由主義」! いきなり新曲をぶちかますという挑戦的かつスリリングなスタート。初めて聴く曲なのに変拍子でまったくノリ方がわからないという、ある意味こちらが試されている感もハンパなかったが、間違いなくカッコいい楽曲だった。
「白兎団本部集会を開始する。自分の人生を生きてみろ。今日の本部集会で自分だけの何かを見つけてほしい」と、夜風が静かに伝えると、千代、亜理紗、もなかそれぞれが個性たっぷりの自己紹介を繰り広げる。そしてライブはソロコーナーへ。
夜風がクールに「シンクロフィッシュ」を歌い、続けて「箱庭のエチュード」を千代が優雅さとセクシーさを兼ねるボーカルで聴かせる。バンマスのやぎぬまかなが先頭に立って「アリーシャ!」コールをすると、亜理紗が登場。そして「たたえよ!絶対覇権アリーシャ帝国」をコール&レスポンスとともに歌っていく。最後はもなかが超キュートな「おにぎりディスコ」を、タンバリンを叩きながら歌う。改めてコンテンツの曲の幅広さがわかるほど、4人の個性があふれていた。やぎぬまは尖ったロックチューンだけでなく「おにぎりディスコ」のような、真逆な方向性のかわいい曲も作れるということで、改めてその才能にも驚かされる。
そしてカッコいいバンドインスト&バンドメンバー紹介のあとは、風情あふれる「奥美濃八萬歌」を4人でしっとりと披露。田舎道をてくてくと帰りたい気分になってしまう曲だが、これは千代の旅館の歌だそう。この曲を歌った理由を「白兎団としてBlanc Bunny Banditとしてライブをしているきっかけになったものですから歌いたかったんです。家出少女のけじめとして、これからの決意として!」と千代が熱く語っていたのも印象的だった。
だが、まだまだライブは始まったばかりと、作品のメインテーマである「ビター・エスケープ(メドレーVer.)」を4人で順に歌っていく。この曲はそれぞれのソロバージョンがあって、アレンジのテイストが全然違っているのだが、千代、もなか、亜理紗、夜風と1コーラスずつ交互に登場しては歌っていく中で、そのアレンジ違いも生バンドで再現。一度に4度オイシイし、やぎぬまかながかけ合いで参加する場面もあり、さらにテンションを上げてくれた(この曲は、やぎぬまかなが歌うバージョンもあるので)。
そしてデュエット曲「漂白脱兎」(夜風&千代)、「全力ドラマティック」(亜理紗&もなか)と続く。後者は特に2人の仲のよさがあふれ出ており、最後は見つめ合って歌い、ゆびきりげんまんをして終わるという胸がきゅんとする演出も。
「アバンギャルド・バンドガールズ」(夜風&亜理紗)は、2人でボックスステップを踏みながら歌ったり、ラップを楽しんだり、客席のかけ声の一体感もすごかった。そしてデュエット最後の「ひふみで湯~とぴあ♨」(千代&もなか)は、スタンドマイクでしっとりとゆらゆらと歌う。
「バンめし♪」の曲をすべて歌い切ると、夜風がステージに一人残り「BBBの曲ではないが個人的に気に入ってる曲を歌おうと思う。団員のみんなは“日向美ビタースイーツ♪”というバンドを知っているだろうか? 音楽で町おこしを成功したバンドとして知られていて、曲も前向きなものが多いが、メンバーの霜月凛の作る曲だけは不思議だ。町おこしとは程遠い、町やバンドに対して否定的な部分がある。でもそんな虚無感の中に情熱的な部分がある。そこにシンパシーを感じた」と言い、曲名「虚空と光明のディスクール」を告げると大きな歓声が起こる。
ここまで夜風としてクールさを持ちながら歌ってきていたが、この曲のサビになると一気に爆発する。バンドの厚みもすさまじかったが、そのボーカルの激しさには、感情を揺さぶられるものがあった。歌い終えたあとの大きな拍手こそ、来場者たちの心を大きく動かした証拠だろう。そして最後は、こちらも「ひなビタ♪」から「凛として咲く花の如く」を4人で歌ってライブを締めくくった。
アンコールでは、メインキャストの4人が再びステージに登場。本編ではキャラクターに徹していたので、あえてキャラクター名でレポートしてきたが、アンコールでは中の人の素も出て、リラックスした空気に。最後の挨拶では、ライブが楽しかったこと、そしてライブが終わってしまうことの寂しさをそれぞれが口々に語っていく。最後に楠木ともりさんが「また次会えるんじゃないかと思うんです。今日で満足しちゃダメだよ!」と語り、最後は再び始まりの歌である「ビター・エスケープ(4人歌唱Ver.)」を歌って、ライブを終えた。
声優がキャラクターとして歌うコンテンツで、ここまでゴリゴリのロックに寄ったものというのはそうはないだろう。ペンライトなしで拳を突き上げ、スタンディングのライブをするというのは、なかなかに挑戦的な試みだ。しかも王道ロックというより、どちらかというとオルタナティヴな方向から攻めているのも面白い。4人のボーカルも見事に棲み分けができていて、こちらはリアルさというよりは、キャラクター性が際立っている。小学生ながら、みんなに自分をアリーシャ様と呼ばせる黒川亜理紗などは、そのいい例だろう。オケは本格的なロックで、声が個性的なキャラクターボイスという、そのふたつが合わさる化学変化というのは、ハマるとクセになる。ライブでも、どうやったらキャラクターらしさを歌に乗せられるかを4人がしっかり考えてパフォーマンスしているのが伝わってきた。
その中で「虚空と光明のディスクール」のようにキャラからはみ出るような表現も出てきたり、ライブだからこそのエモさというのも出てきて、今後リアルライブとして、どう成長していくのかも楽しみになるファーストライブだった。
(取材・文/塚越淳一、撮影/岡本麻衣)
【セットリスト】
1. 共鳴性白染自由主義
2. シンクロフィッシュ
3. 箱庭のエチュード
4. たたえよ!絶対覇権アリーシャ帝国
5. おにぎりディスコ
6. 奥美濃八萬歌
7. ビター・エスケープ(メドレーVer.)
8. 漂白脱兎
9. 全力ドラマチック
10. アバンギャルド・バンドガールズ
11. ひふみで湯~とぴあ♨
12. 虚空と光明のディスクール
13. 凜として咲く花の如く
en1. ビター・エスケープ(4人歌唱Ver.)
©Konami Digital Entertainment
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