「ダンまちII」では、ヘスティア以上にヒロイン力の高い女の子たちが大フィーチャー/ヘスティア役・水瀬いのりインタビュー

好評放送中の「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII」、通称「ダンまちII」。巨大なダンジョンがある街、オラリオに、かわいい女の子との出会いと冒険を求めてやって来た少年・ベルと、彼が敬愛する小さな女神ヘスティアを中心に織りなされる、ときにコミカル、ときにシリアスなファンタジー作品の第2期シリーズだ。
2人きりの弱小ファミリアではあるものの、ベルの目覚ましい活躍により、オラリオでは今や有名人で、ベルは「リトル・ルーキー」の異名で呼ばれるほどに。リリやヴェルフといった頼れるサポーターや、何か起こればベルとヘスティアのためにひと肌脱いでくれるファミリアも増えて、そこそこ順風? そんなときに、ベルを自分の眷属にしたいと画策するアポロンが、ヘスティアにファミリア同士の総力戦、戦争遊戯(ウォーゲーム)を仕向けてきた。大勢力のアポロン・ファミリアとの抗争のゆくえに、リリの悲劇的な過去のしがらみと、そこからの決別も織り交ぜたドラマが、「ダンまちII」前半の見どころだった。
そして後半戦となる第6話からは、いよいよ新ヒロインである春姫が登場。女神イシュタルが支配する歓楽街を舞台に、春姫を軸にした新たな物語がスタートする。
そんなシリーズの区切り目に、ヘスティア役の水瀬いのりさんにシリーズ前半を振り返ってもらいつつ、後半の見どころ──特に春姫についても、うかがった。

第2期になっても、いい意味で「相変わらず」なヘスティア


──第2期シリーズの手応えはいかがですか?

水瀬 ベルくんとヘスティアの物語に、またTVアニメの形で会えることがすごくうれしいです。第1期と第2期の間も、ソーシャルゲームや劇場版など何かしら「ダンまち」に関わる収録があったので、キャラクターを演じることへの「久しぶり感」は、キャスト全員ないような気がします。個人的にも、「よし、ヘスティアをまた演じるぞ!」と意気込むと言うよりは、TVアニメでまた毎週演じられる懐かしさを感じながらアフレコしています。第1期からずっと応援してくださっている方は、画面の中で動くベルやヘスティアを通して「ああ、これが『ダンまち』だよね」って、感じ取っていただけてるんじゃないでしょうか。第2期から初めて見た方には、「『ダンまち』って面白いな」って思ってもらえるひとつのきっかけになってくれると思います。

──松岡禎丞さんと、毎週また共演されていかがですか?

水瀬 松岡さんは変わらず全力でお芝居をされてます。第1期のときのベルは、自分との戦いみたいな感じが多かったんですけど、今回は戦争遊戯にしても、これからの春姫編にしても、戦いの目的がより具体的になってる気がします。より強くたくましくなったベルくんは、ヘスティアが常に近くにいなくても彼自身で強くなっていく部分がありますね。

──それでは5話までを振り返っていきたいのですが。1話は戦争遊戯のきっかけが提示される中、レギュラーがにぎやかに勢揃いするパーティーシーンが見どころでした。

水瀬 そうですね。あのワチャワチャした空気感が(笑)。神同士のやりとりもなかなか濃くて、第2期から出てくるアポロンのファミリアの色濃い新メンバーも総出でからんできてましたし。相変わらず犬猿関係性を続けているロキとヘスティアだったりとか(笑)。神よりも子どもたちのほうが大人なんじゃないかっていうくらい、神様同士のほうが破天荒で感情をあらわにしていて。神というと、静かで不動な存在なのかと思いきや、そうじゃない。そこは原作の大森藤ノ先生も、ただ敬うだけの存在じゃない神様が描くのが楽しかったと、以前おっしゃっていたので。そういう、とっても人間くさい雰囲気が見えた楽しいシーンでした。


──ヘスティアに限らず、神様はみんないい意味で俗っぽいですよね。

水瀬 そう! 大森先生も「俗っぽくしたかった」とおっしゃってました。このおごそかすぎない神様っていうのが『ダンまち』っぽいですし、私も演じていて「ああ、『ダンまち』に関わってるな!」と思う部分ですね。

──この回でも、ヘスティアは露骨にヤキモチ焼いてましたね(笑)。

水瀬 ねぇ! ほかの女の子がベルくんに近づいたときの、センサーの張り具合とリアクションはすごいので。しかもベルくんに対しては馬乗りになる勢いで、フレイヤを「見るな!」って言ったり。ベルとアイズがいい雰囲気で踊ってるのを見て、ロキと2人でわめきチラしたあげくに、ヘルメス・ファミリアの眷属のアスフィに2人とも抱えられて連れ出されたり。そんな子どもたちに制御されてしまうような暴れん坊ぶりは、第1期から変わらずなのかなと思います。


──2話はベルとヘスティアが2人で街中をアポロン・ファミリアの面々から逃げる中で、ベルに「ボクのこと、好きかい?」とシリアスに聞くシーンが印象深かったです。

水瀬 そこは私自身もヘスティアが急に女の子らしさを出してきたので、どう演じてあげたらよいんだろう?と、思いながら台本に向かい合ったのを覚えてます。ヘスティアって、ガツガツしているように見えて意外とうぶなところがあって。ベルくんには「ボクは君のことが好きだよ」とはよく言ってますけど、自分のことを好きなのかどうかをベルに聞くのは、これまであまりなかったような気がしていて。それは言ってみれば「答え」がわかってしまう究極の質問だなって思うんです。だから彼女は無償の愛は注ぎ続けるけれど、それに対してベルくんがどう思っているのかは、彼にしかわからなくていい。そうヘスティアは思ってるんじゃないかって、私は勝手に思ってるんですよ。そこがすごく神っぽいなって。相手の想いも知って、両想いになってデートしたいみたいな気持ちじゃなくて、「ボクはいつだって君を好きだよ」という気持ちを伝え続けるのがヘスティアの、ベルくんに対してのスタンスだと思っているんです。でも追い詰められて大ピンチだったからこそ、それを聞く。ヘスティアとしては、きっと一生懸命言葉にした質問だったんじゃないかと思ったので、照れはなくしっかりと目を見て言いたいなって思ったんです。だからそこを意識しながらマジメに、本当に真意を質すような気持ちで演じました。でもベルくんの答えは「尊敬してます」で(笑)。それもまたひとつの「答え」というか、ベルとヘスティアの関係なのかなと思ったシーンでした。

おすすめ記事