渕上 舞インタビュー Newシングル「予測不能DAYS」&「バレンタイン・ハンター」大満足の1枚に仕上がりました
声優・アーティストの渕上 舞が、4枚めで初の両A面シングル「予測不能DAYS」/「バレンタイン・ハンター」を2020年2月5日にリリースする。「予測不能DAYS」は、TVアニメ「魔術士オーフェンはぐれ旅」のエンディング主題歌で、同作には自身もドーチン役として出演している。両曲とも作詞を務め、役柄や作品構想などを通じてどんどんアーティスト活動の密度を濃くしていく彼女に話を聞いた。
「女の子の女の子らしい部分が好き」 「バレンタイン・ハンター」 に込めた意味
──ニューシングルは初の両A面で「予測不能DAYS」も「バレンタイン・ハンター」も「作詞:渕上 舞」ですし、過去作もかなりの作詞をされていて、声優アーティストでここまでの頻度で書かれる方はあまりいらっしゃいません。
渕上 舞(以下、渕上) これが当たり前だと思わないでくださいね!(笑) とはいえ、商品としてお金をいただくものの一部を任せていただいていることについては、ありがたいと思っていますし、自分の誇りだと思います。私にとってのほかの楽しいことと同じで、書き始めるまではおっくうで「時間ないよ~」って文句ばかり言うのですが、書き始めると結局楽しくなるんですよね。でき上がったときは、産みの苦しみの分、うれしくてドヤ顔で「完璧なものができました!」ぐらい気持ちが乗っているので、文句言ってるぐらいがちょうどいいのかなって(笑)。
──両A面になったのには何か理由が?
渕上 「バレンタイン・ハンター」は1年以上前から、映像も含めて構想していたんです。「予測不能 Days」が1月から放送開始のTVアニメ「魔術士オーフェンはぐれ旅」のエンディング主題歌で、それを2月にリリースするタイミングでしたので、この曲もバレンタインソングとして出させていただける機会に恵まれました。
──構想というのはどんなものでしたか?
渕上 最初はプロデューサーとの雑談で、バレンタインソングを作りたいんですよねと話していて、そこで「バレンタインチョコの特設会場って、女の戦場みたいですよね」と言ったら、「そこに渕上さんが乗り込む様子が見えます」と言われて、「じゃあそれをMV(ミュージックビデオ)にしましょう!」といった感じで生まれたものでした。私は基本的に、女の子の女の子らしい部分が、よいところも悪いところも含めて好きなんです。かわいらしい部分も、女性特有のちょっとドロドロした部分とかも。それは「BLACK CAT」(「Journey & My music」収録)でも描いていたことです。バレンタインって、華やかな行事ですし、街がハートマークに彩られてかわいいらしい景色ではありますが、恋のお祭りなので、そこでいいこともあれば、取られたりすることもあるかもしれない。それに特設会場って、かなりの戦場なんですよね。限定チョコレートに群がったりする意味でも、彼を捕まえるという意味でも「ハンター」が集っている場所なんです。そういう感覚って女性には共感してもらえるんじゃないかなと。
──「Love Summer!」のときも、「夏のお祭りやフェスで周りの人たちが明るくなるという空気感が好き」とおっしゃってましたよね。それはこういうイベントでも同じく。
渕上 そう。クリスマスとかも。楽しそうなのを見てるのが好きというか。混ざると大変ですけど、はたから見ているぐらいだと心が穏やかになれます(笑)。
──渕上さんのバレンタインの思い出は?
渕上 そうだなぁ……。中学生の頃、塾の先生がすごく好きだったんです。先生にバレンタインにチョコレートをあげようと思って一生懸命作った思い出があります。 今思うと子どもだったなと思うけれど、お家で一生懸命チョコレート作って、タイミングはいつがいいかなってドキドキしたのはすごく覚えてます。あと、これはいろいろなところでお話しているのですが、大人になってラーメン屋さんでアルバイトをしていて、そこの店長さんのことがすごく好きで、3回告白して3回ふられたんです(笑)。もう、そこまでいくと普通にお友だちみたいな感じなんですけど(笑)。
──この歌詞の中に、渕上さんのご自身のエピソードを入れた部分はありますか?
渕上 この歌詞に関しては完全に第三者目線で、面白がって見ている要素が強いかもしれないですね。さっきの店長さんの話もそうですが、恋する女の子って一点集中で、バレンタインデーを迎える頃にはそのことばっかり考えてしまっている。きっとそういう瞬間ってみんな通ってきているんだろうな、面白おかしく描けたらいいなと、ちょっと遊び心ある作品になりました。
──楽曲についてはどのような希望を出されましたか?
渕上 バレンタインの曲ではあるけども、決してロマンチックな曲にはしないでほしいという希望を出しました。昔のヒーローものというか、でも主人公は女の子なので戦う女性をかわいく描けるような曲にしたいと。私は楽器に詳しくないのですが、今回は久々に楽器の指定をさせていただきました。当初はイントロ部分でコーラスが入っていたのですが、それはナシにして音で表現してほしいということでホーンを入れていただきました。
──楽曲を聞いての印象はいかがでしたか?
渕上 とっても好みです。ちょっと懐かしさも感じられるし、思わず口ずさめる、頭の中ぐるぐるみたいなそんなメロディがとても好きだったので、それに歌詞を当てるのもすごくスムーズで楽しかったです。
──歌の表現がとても生き生きとしていました。
渕上 楽しい、歌いやすいメロディの曲ではあるのですが、「ふざけたことを大真面目に」が今回テーマだったので、真剣に自分自身がハンターになったように、あるいは勝利者の気分で臨みました。歌詞の中に「2月14日の夜に祝杯を!」という一節があって、ここは私の一押しポイントです。これはバレンタインデーにしっかり相手を捕まえて、夜には祝杯をあげましょうという意味。でも最後は「To be continued…maybe!」で終わっているので、きっとこのバレンタインでは失敗に終わってしまっているのですが、でもそれをドヤ顔で言いましょうよと。馬鹿馬鹿しいことをあくまでも大真面目に歌わせていただきました。
──コーラスの(shooting♡chocolate)をウィスパーで行なっているのも印象的です。
渕上 ハンターというと、カッコよかったりとか、男らしさみたいなイメージなんですけど、バレンタインなのでやっぱりかわいらしい部分は残したくてエッセンス的に入れています。聴いてくださっている方にかわいいなとか色っぽいなと思ってもらえたらうれしいですね。そういうところを出しつつ、Dメ ロはちょっと妖艶な感じで歌っています。ここはこの物語の主人公と天の声みたいにできればと思って歌いました。女の子が命を賭けて、2月14日の夜には彼氏とラブラブになるんだってがんばっているけれども、周りが見えなくなっている。そこに対して、(そんな無理して頑張って) (欲しいものはナァニ?) (中途半端な愛情)と、「ホントにその人でいいんですか?」とか、あるいは「結局あなたはその人ではなく、彼氏という存在が欲しいだけなんじゃないの?」って、「おかしいでしょ?」という心の声を表現しています。
──MVの見どころを教えてくれますか?
渕上 ピンクのフリフリのロリータ服を着た私は見どころだと思います。これは最初に申し上げた構想のなかで曲作りとセットで決定事項でした(笑)。しかも、この衣装は実際のロリータ服ブランドさんが今年のバレンタイン時期に実際に展開するものなんです。アクセサリーもチョコレートを模した指輪だったりと、お菓子を身にまとって、とってもかわいい感じです。魔法少女的なステッキはスタイリストさんが参考にと持ってきていただいたのですが、あまりにもかわいかったので映像でも使わせていただきました。そんな中、甘くはないビターな雰囲気のバレンタインソングになりました。MV後半にはかなりクレイジーな映像もあるので、ぜひ最後まで見ていただければと思います。
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