世界を魅了した人気FPSシリーズ最新作「ボーダーランズ3」開発者インタビュー! 今作もぶっ飛びすぎ&脳汁プッシャーな爽快感は健在!

7年ぶりのナンバリング新昨タイトルとして2019年9月13日(金)に発売される「ボーダーランズ3」(PC/PS4/Xbox one)。「ルーターシューター」という新しいジャンルを確立し、コミック風の独特な世界観が、世界中のゲーマーから高い評価を受けているタイトルだ。この「ボーダーランズ3」を発売前にプレイする機会を得、さらには開発者にインタビューを行ってきた。

7年ぶりのナンバリング新作。「ボーダーランズ」が愛され続ける理由とは?

シリーズ累計売上4,300万本以上を記録し、数々のゲームアワードを受賞したゲーム。それが「ボーダーランズ」シリーズだ。対戦プレイのイメージが強い“FPS(ファースト・パーソン・シューティング)”と、キャラクターがストーリーの進捗具合とともに成長する“RPG”、そしてミッションをクリアして武器や装備をアップグレードする“ハクスラ”という3つの要素が絶妙に組み合わさったゲーム性が、世界中のプレイヤーたちを虜にしてきた。

この「ボーダーランズ」のナンバリング新作「ボーダーランズ3」が、7年ぶりに発売されるというのだから、自然と期待が高まるのをおわかりいただけるだろう。

「ボーダーランズ」の魅力はひと言では言い表せないが、あえて言うならクレイジーながらも愛さずにはいられないキャラクターたち、フォトリアル全盛の中で異彩を放つコミック調のグラフィック、実用性が高いものから意味がわからないものまでそろった多種多様な武器、この多彩な武器と特殊能力を使った爽快なバトルなど。

↑最新トレーラー映像。

そして、忘れてはならないのが、オフラインの画面分割最大2人、オンライン最大4人に対応するCo-opプレイ。大の大人がそろいもそろって無邪気にはしゃぎ回れるのは、このゲームならではの魅力と言える。

新作「ボーダーランズ3」でも、こういった魅力は失われておらず、さらに進化している。

プレイヤーは、お宝を探し求める4人のヴォルトハンター、アマーラ、FL4K(フラック)、モズ、ゼインからひとりを選べる。それぞれのキャラクターは、異なる特殊能力を備えている上に、プレイヤーのプレイスタイルに合わせたスキルやアクションを作り上げることで、同じキャラクターでもまったく異なる遊び方が可能になる。

主人公のゼイン(左)、FL4K(中央上)、アマーラ(中央下)、モズ(右)

これまでのシリーズは、荒廃した惑星パンドラが舞台だったのだが、「ボーダーランズ3」はパンドラを飛び出し、ほかの惑星がある銀河が舞台だ。イカれた双子の姉弟“カリプソ・ツインズ” が牛耳る新興のカルト組織チルドレン・オブ・ヴォルトから銀河に散らばったお宝を守るため、この組織の調査に乗り出すというのがメインストーリーになる。

シリーズの主役とも言える武器は、10億種類以上も用意されている。10の武器メーカーがさまざまな武器を作っており、これだけあればお気に入りの武器をきっと見つけられるだろう。こういった武器を使いこなしながら、いかれた敵を容赦なくぶち殺していく爽快感は、「ボーダーランズ3」でも健在だ。

注目の協力プレイは、オフライン最大2人、オンライン最大4人に対応。開発工数が非常にかかるため、多くのゲームで見送られる中、「ボーダーランズ3」がオフラインの画面分割プレイに対応しているのには賛辞を送りたいレベルだ。そして、オフラインの協力プレイにおいても、ピン機能やルート・インスタンスといった新機能が実装されており、その魅力はさらに磨きがかかったと言える。

この「ボーダーランズ3」について、開発者にインタビューを実施し、その魅力や新機能、今後の展開について根掘り葉掘り聞いてきた。インタビューにこたえてくれたのは、本作のアートディレクター、スコット・ケスターさんと、シニアプロデューサーのアンソニー・ニコルソンさんだ。

写真左がスコット・ケスターさん。右がアンソニー・ニコルソンさん。

「ボーダーランズ3」開発の裏側

──ボダランと言えば、やっぱりコミックブック風のグラフィックやアニメーションが特徴。フォトリアルなゲームが多い中で、あえて手の込んだグラフィックに挑戦するわけは?

ケスター 今、挑戦という言葉でおっしゃっていただいたように、コミック調のグラフィックを表現するということは、テクニカルへの挑戦でもあるんです。いわゆるフォトリアルに見せるほうが、今の技術を使えばむしろ楽なんです。

では、なぜあえて大変なグラフィックに挑戦するのかというと、「ボーダーランズ」の1作目と2作目に関わる中で、どういうアートスタイルがいいのかなということをチームの中でずっと探求してきました。チームの一員として、グラフィック的に少し変更した点も見てきました。

端的に言うと、このスタイルが好きだというのが答えです。もちろん、個人的にアニメとかコミックなどが好きというのもあります。

「ボーダーランズ」シリーズの中で変えずに続けてきたルックスのイメージというのは、これからも変えたくありません。どちらかと言うと、このスタイルをより洗練させて、高みに持っていくという挑戦はし続けたい。しかし、シフトチェンジみたいな形で完全にルックスを変えていくということはしたくないなというのが、アートディレクターとしての私の信念です。

──やはり、「ボーダーランズ」のような独自のグラフィックを作り上げるのは、大変な作業が伴うものなんですね。

ケスター フォトリアルのグラフィックで作ったら、おそらく半分の作業量で済むなというところですね。すべて手描きですから。手で心を込めて。キャラクターに対する愛着と言いますか。

──アニメが好きというお話がでたのでお聞きしたいのですが、スコットさんは以前のインタビューで「AKIRA」や「ジブリ作品」、「サムライチャンプルー」、「攻殻機動隊」など日本作品が好きだとしてこたえていました。最近ハマっているアニメはありますか?

ニコルソン 時間はどれだけありますか? スコットがアニメについて語りだしたらキリがないと思いますよ(笑)

ケスター 「進撃の巨人」ですね! ストーリーやキャラクターもですが、ダイナミックなカメラアングルが大好きです。推しキャラは、リヴァイですよ! ジャンルが少し違うところだと、「スパイダーマン: スパイダーバース」もいいですよね。アニメはすごく進化していると思います。スタイルの追求というのが、形になって表れていますよね。


──私も「進撃の巨人」は大好きですよ。話を戻して、「ボーダーランズ3」では、10億種類以上の武器が登場するそうですが、お気に入りの武器はありますか?

ニコルソン ジェイコブス(ゲーム内の武器メーカー)のピストルかな。リボルバー式のクラシックなピストルなんですけど、自分自身がテキサス州出身なので、自分の中にあるカウボーイスピリットみたいなものを感じるんですよ(笑)敵に当たると跳弾するのもクールですね。

ケスター うーん、どうしよう! めちゃくちゃたくさんあるから難しいですね。アキュラシーが高いもの、P90みたいな武器が好きで、ゲームだとダール(武器メーカー)のサブマシンガンが好きですね。ピンポイントで狙ったところに当たるから、戦略性を持って戦えるんですよ。

とにかく何でもあるって言えるくらい多種多様な武器をそろえています。アンソニーが言ったカウボーイチックなものとか、あるいはロケットランチャーとか。それに弾に足が生えて勝手に歩いていく武器とか、チーズバーガーを発射するバカげた武器とか(笑)だから、どんな人でもお気に入りの武器が見つかると思いますよ。

──チーズバーガーを撃てる武器は敵を倒せるんですか?

ケスター 倒せないですよ!(笑) ジョークで作った武器です。

──フラックのペットに餌として与えるとか?(笑)

ケスター わははは(笑) その手があったか!(笑)

──武器もたくさん増えましたが、新システムもいろいろ実装されていますよね。そのひとつがピンシステムですけど、なぜ導入したのでしょうか? これによってマルチプレイにどのような恩恵がありますか?

ニコルソン ピンシステムにはいろいろな使い方がありますが、たとえばオンラインで協力プレイをしていて、マイクが使えないようなときに、ピンシステムを使えば指差しみたいな感じで「ここにアイテムがあるよ」と相手に教えることができます。

協力プレイしている相手がマップ上のまったく違う場所にいても、アイテムの場所や進む方向とかを教えられるんです。趣旨としては、協力プレイ時にプレイヤー同士のコミュニケーションをサポートするためのものですね。私たちにとって、協力プレイというのは非常に大事にしている要素で、プレイヤーたちがより楽しめるようにというのを念頭に置いています。

──ルートインスタンス(※)の実装については、ファンからの要望が多かったのでしょうか?

※協力プレイ時に敵を倒したときの戦利品は、前作まで早いもの勝ちだった。これを早い者勝ちではなく平等にするのがルートインスタンス

ニコルソン ファンからのフィードバックにもありましたし、作り手としてもルートインスタンスのようなシステムがあればいいなと考えていました。協力プレイでも戦利品は早い者勝ちという従来のシステムもいいですが、それだといつも戦利品を取りそびれてしまう人がいると思うので、ルートインスタンスを実装することでフェアになったと思います。もちろん、従来の戦利品を奪い合うシステムが好きという人たちのために、そちらを選べるようにもしていますよ。

──それも協力プレイが楽しくなるように、ということですか?

ニコルソン そうですね。戦利品をみんなでわけることとか、レベル調整(プレイヤーのレベルに合わせて敵の強さや戦利品を調整する新システム)は、いつでもだれでも気軽にプレイできるようになれば、という思いを込めています。その障壁となる要素は、なるべく取っ払っていきたいですね。

──本作の舞台は、従来の惑星パンドラとは異なる惑星、それも複数の惑星へと変わりました。パンドラの世界観を残しつつ、ほかの惑星のデザインを考えるのは苦労しましたか?

ケスター 今まで「ボーダーランズ」と言えば、パンドラの砂漠のようなイメージが強かったと思います。本作から舞台が違う惑星に移るということで、パンドラとは違う雰囲気の場所を作りたかったのですが、パンドラからどれくらい変えるのかというのは、チーム内で大変試行錯誤しました。

あまりにもかけ離れるのではなく、ある程度の一貫性は必要だと。ただし、アイデア段階では少し“キレイ”になりすぎたところがあって。清潔感のある都会というのは「ボーダーランズ」っぽくありません。パンドラよりも発展した都会だけれども、どこか影があったり、さびれていたりする不穏な空気感があればいいなと。これが、最終的なスタイルのポイントとなりました。これをベースにすると、パンドラではないまったく違う惑星にいったとしても「ボーダーランズ」っぽくなるねと。

──なるほど。まだ言えないかもしれませんが、クロスプラットフォームの対応はいつごろになりそうですか?

アンソニー 今回のローンチでは実現できませんでしたが、コンセプトとしては非常に魅力的です。お話しさせていただいたように、我々は協力プレイを非常に大切にしています。ですので、将来的には実現させたいと。ポストローンチ(発売後)に試みたいと思っています。


──ニンテンドースイッチ版の「ボーダーランズ3」は考えていますか?

アンソニー 任天堂は大好きですよ(笑)

ケスター 僕も好きですよ(笑)

アンソニー 可能性は無限にあります。現時点で、「ボーダーランズ3」をニンテンドースイッチで発売する計画はありませんが、私たちはいつでもファンからのフィードバックにこたえたいと思っています。多くの人が声をあげたら、マーケティングに届くかもしれませんね。

<プロフィール>

アンソニー・ニコルソン

『ボーダーランズ3』シニアプロデューサー。2012年よりGearboxに勤め、過去作『ボーダーランズ2』『ボーダーランズ プリシークエル』ではQAアナリストを担当し、『バトルボーン』ではプロデューサを担当。大学時代はアメフトの選手として活躍し、ゲーム、シミュレーション、及びアニメーションデザインで学位を取得。

スコット・ケスター

2007Gearboxに入社、現在『ボーダーランズ3』のアートディレクターを担当。その以前には、『ボーダーランズ』『ボーダーランズ2』のコンセプトアートを手掛けたり、『バトルボーン』のアートディレクターを担当。テキサスのマッキニーに家族と住んでいる。

【商品情報】

■ボーダーランズ3

・発売日:9月13日(金)  

・ジャンル:シューティングRPG

・開発元:Gearbox Software  

・販売元: 2K

・パッケージ版:PlayStation®4のみ  

CERO:審査予定

・ゲームモード:シングルプレイ/協力プレイ(オンライン&オフライン)

・価格:通常版 ¥7,400+税/デラックス・エディション ¥9,500+税/超デラックス・エディション ¥12,800+税


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