【Steamゲームレビュー】探索がメイン! お化け屋敷のようなホラーゲーム「Visage」

この連載では、PCゲームのプラットフォームとして今盛り上がっている「Steam」で遊べるオススメゲームを、「Steam」のコアゲーマーである、“すちーむまにあ”こと、辻村美奈が詳細にレビュー。その面白さを紹介していきます。


今回取り上げる「Visage」は、カナダのインディーズゲーム開発スタジオ「SadSquare Studio」が2015年1月に開発開始したゲームです。開発中にKickstarterで複数回の資金調達にも成功し、2018年10月に早期アクセス版がリリースされました。


ゲーム内容は、探索メインの一人称視点サバイバルホラー。公式ホームページのQ&Aによると、同じく一人称視点サバイバルホラーで2014年に世界的に流行った「P.T.」に触発されたとのこと。


ストーリーは、自殺や発狂、一家心中のあった家の中で、手がかりを探しながら、殺された人間の記憶を追体験し、終わりのない迷宮を巡ります。この家で死んだ一家は、なぜかあなたを呪い、いたずらをしかけてきます。なぜ、呪われているのか、一家に何をしたというのか、その理由は、プレイヤー自身が見つけなければなりません。

正気を保つのが生存へのカギ


操作した感覚は、2016年発売の同ジャンルのゲーム「Layers of Fear」と非常に似ています。棚やドアの扉は、左クリックを長押ししながらマウスを実際に開ける時のように動かさなければなりません。そのため、あらかじめマウス感度を高めに設定しておくことをおすすめします。


探索メインのホラーゲームなので、家を探索して「キーアイテム」を見つけながら物語を進めていきます。重要なアイテムを見つけたり、ストーリーを進めたりすると自動セーブが入るので、その都度セーブする必要はありません。それとは別にセーブしたい場合は、F5キーでクイックセーブも可能です。


プレイヤーには、正気度というステータスがあり、長時間暗闇の中にいたり、超常現象(ランダムで発生する怪奇現象)を放置したりしていると正気度が下がります。ある一定以上に下がってしまうと、ピル(正気を保つためのアイテム)を服用しなければ治りません。一定を超えた正気度を放置したまま行動してしまうと、敵が現れたらすぐに殺されてしまいます。家の各所に落ちている電球やろうそく、ライターなどを使って、こまめに電気をつけることを心がけましょう。

実際に遊んでみた!


それでは、実際に遊んでみようと思います。ホラーゲームは画面の明るさの調節を間違えると目に悪いため、まずはトップ画面にあるオプションからガンマ値やビデオの設定をします。若干明るいくらいがちょうどよいと思います。


ゲームを始めると、オープニングムービーが流れます。何者かが地下室で銃に弾をつめているところから始まります。弾をつめ終わると、椅子に縛られた家族?(女性、男性、子供)を順番に銃で撃っていきます。


ムービーが終わると、主人公が謎の部屋で目を覚まし、操作可能な状態になります。床には、日付を記録していたのかのような傷跡が残っています。監禁でもされていたのでしょうか。


すぐ目の前にあるドアを開けると、電話が鳴り響きます。家主の知り合いと思われる女性からの連絡で、「3週間も姿を見ていない」と心配していたようです。


電話が終わり、近くを探索します。バスルームには、正気度の回復アイテムであるピルが落ちていました。アイテムは両手にひとつずつで計2つ。ポケットには5つ。合計7つまで持つことができます。また、ストーリーに関わる重要なアイテムは、別の場所に保存されます。


さらに探索を続けると、壁にパンダの絵が貼られているのを発見。その絵を手に取ると「ルーシーの章-見えないおともだち-」という章が始まります。その扉を開くと、女の子の部屋が。ルーシーという女の子の部屋でしょうか。


ルーシーの部屋を探索すると、クローゼットの奥に謎の絵がありました。絵の中で、女の子が壁をノックすると、黒い化け物もノックを返しています。例によって、壁にノックをしてみると、何者かがノックを返してきました。ヒィィィィ!


ノックの後に、部屋を見渡してみると、さっきまでは開いていなかった扉に隙間が…。何者かが開けてくれたようです。さっきノックをした壁の反対側に進むと、熊の絵と人形が置いてありました。この人形がノックを返したのでしょうか。


探索を続けると、開かないドアがありました。向こう側に置いてある机がじゃまになっているようです。反対側に向かって机を動かします。


机を動かしてドアを開けると、カメラのシャッター音が聞こえます。部屋を見渡してみると、カメラが勝手に動いています。


カメラを手に取ると、シャッターの瞬間に壁に謎の痕跡が映ることに気が付きました。その謎の痕跡を辿っていきます。


と、その時、前方から人影が! 何かが近づいてきて、注射器のようなものを置いていきました。お、恐ろしい……。


気を取り直して、またカメラに写る痕跡を追跡します。進んでいくとひとつのドアに続いていました。そのドアを開け、奥の壁にシャッターを向けると、シャッターの瞬間に大きな化け物と女の子の絵が浮かび上がりました。心臓に悪い!


部屋の中には特に何もなかったので、ほかの部屋を探索することに。鍵が開いている部屋がないか探していると、階段下のドアが赤く光っているのを発見! ここには絶対に何かある。


ドアを開けると、家の外に通じていました。土砂降りの中、人形が散りばめられた道を進んでいくと、ツリーハウスが現れました。はしごがかかっているので、なんとか登れそうです。


小屋の中には、ルーシーが書いたのであろう絵が飾られていました。左上から順番に見ていくと、化け物がテレビやラジオからルーシーに話しかけ、徐々に彼女に取り入ったのがわかります。最後は「FRIEND Did it」と書かれた絵で終わっています。


小屋の中を見渡すと、鍵のついた箱を発見しました。鍵は、ルーシーが書いた絵の裏にありました。箱を開けると、ルーシーが注射を打たれている絵が出てきます。さっき現れた何かが落としていった注射器と似ています。


次の瞬間、絵が消え、化け物の声が聞こえてきました。「そばにいてね、ルーシー」、「パパもママもわかってくれないよ、ルーシー」、「そいつを始末しろ、ルーシー」と、化け物の言葉は徐々に乱暴になっていき、最後は地面が崩れ落ち、先ほどいた家に戻ります。目を覚ました部屋には、電気のスイッチのカバーのようなものが乱雑に置かれています。


電気をつけようと近くのスイッチを見てみると、カバーが剥がされ壊されていました。全滅です。ここからは、ろうそくとライターとカメラだけで進まなければなりません。


案の定、真っ暗闇で道に迷い、ピルを使い切って死んでしまいました。電気がなくなると、かなり難易度が上がります。ピルがなくなったら実質ゲームオーバーです。序盤、もっと大事に使えばよかった~!(泣)

無駄な戦闘要素は一切なし!雰囲気を楽しむホラーゲーム


実際に遊んでみた率直な感想は、とにかく画面酔いしやすい!ということ。動作に合わせてカメラが若干揺れるので、FPSなどとは比べ物にならないくらい酔います。ちなみに、筆者は酔い止めを服用してから遊びました。


高難易度のホラーゲームというと、敵からひたすら逃げまわったり、敵に勝つまで何度も戦闘しなければストーリーを進められなかったり、せっかくのホラー演出も長~い戦闘のせいで興ざめ!というようなゲームを多く見かけます。しかしこのゲームは、戦闘や追いかけっこは一切ありません。基本的にプレイヤーは足が遅く、武器を持つこともできないので、逃げ回ることも敵を撃退することもできないのです。そのため、ステータス管理とアイテムの残量管理が非常に重要になります。


まだ早期アクセス版ということで、「ルーシーの章」と「ドロレスの章」のみですが、今なら製品版よりもかなり安く手に入れることができます。少しでも気になった方は今のうちにプレイしてみてはいかがでしょうか。

タイトル情報

「Visage」(SadSquare Studio)
2018年10月2日リリース(早期アクセス)
価格:2,570円(2020年2月7日時点)
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筆者:すちーむまにあ(辻村美奈)

オフィスマイカに所属するライター兼ゲーマー。好きなゲームのジャンルは、サンドボックスのサバイバルゲームや、ホラーゲームなど。プレイスタイルは、コミュ障炸裂でVC勢に怯えるテキストチャットガチ勢。


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