これが「ドMキャラ」を演じる秘訣!? TVアニメ「群れなせ!シートン学園」徳井青空×芹澤優インタビュー
好評放送中のTVアニメ「群れなせ!シートン学園」(原作:山下文吾/「サイコミ」連載)。動物たちの学園「私立シートン学園」を舞台に、動物嫌いの“人間(♂)”・間様 人(マザマ ジン 以下、ジン)と独りぼっちの“オオカミ少女”・大狼 ランカ(オオカミ ランカ)を中心にしたハチャメチャ学園ライフを描いた本作は、さまざまな動物擬人化キャラクターたちのかわいさや面白さで毎週視聴者を楽しませている。
物語も中盤に差しかかり、新たなキャラクターも登場して盛り上がる本作より、今回は“ネコ(♀)”・猫米 クルミ(ネコマイ クルミ)役の徳井青空さんと、“パンダ(♀)”・苺苺(以下、メイメイ)役の芹澤優さんに、演じるキャラクターについてや動物に関するエピソードなどをうかがった。
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演じるのはマイペースなネコとドMなパンダ
――まずは、原作を読んだ感想をお聞かせください。
徳井 本当に個性豊かなキャラクターがたくさんいるなと思いました。オスは動物そのまま(の見た目)で動物のリアリティさがある感じに描かれているし、メスといいますか、女の子の動物擬人化キャラクターはとってもかわいくて。面白い設定だなと思って読ませていただきました。
芹澤 私は「こんなギャグもあるんだ!」と思いました。読んでいくと知らなかった動物の生態を知ることもできて……コアラが“○○○”を食べて育つとか(笑)。「嘘でしょ?」みたいな豆知識を、ギャグとして成立させているのがすごいですよね。
――それぞれのキャラクターを演じてみていかがですか?
徳井 やっぱりネコだからか仕草や言葉がめちゃめちゃかわいくて。クルミは“ミスメス”なので、「みんなを惹きつけられるように演じなきゃ…!」というプレッシャーがありました。しかも、ネコ好きな方はたくさんいますので、その方たちにも気に入ってもらえるように演じたい、という気持ちもありましたね。
芹澤 メイメイは中国からやって来た留学生として登場します。国をあげて盛大に甘やかされていた人気者のパンダなので、わがままで、いい意味で世の中をナメている感じが出ればいいなと思って演じました。ジンに生まれて初めてぞんざいな扱いをされて、Mっ気が開花するのも面白くて、とても演じがいのあるキャラクターでしたね。
――これまでにMのキャラクターを演じた経験は?
芹澤 Mっ気があるぐらいならありましたけど、ドMはなかったと思います。「完全に喜びながら嫌がってください」というディレクションをいただいたのは初めてでした(笑)。
――やってみて、何か新しい感覚に目覚めたりは?
芹澤 それはなかったですけど(笑)、振り切って演じる勇気は必要だなと思いました。原作ファンの方たちから「想像していたキャラクターと違う」と思われるのは嫌ですし、「どのくらいの塩梅で演じればいいんだろう……振り切ったほうが面白いのかな?」ってうじうじしていて。でも、そんな自分は勇気がなくて嫌だなと思ったんです。
――加減が難しかったのですね。徳井さんは、クルミのようなキャラクターを演じた経験は?
徳井 クルミちゃんはふらっと部室に来たり、本当に気ままな性格の子で、マイペースさは今まで演じてきたキャラクターの中で一番でしたね。なので、そこは特に意識して演じました。
――徳井さん自身もマイペースな性格だったりしますか?
徳井 そうですね。私もひとりでどこでもいけるタイプなので、そこはクルミちゃんと近いかなと思いました。演じていてすごく楽しかったです。
――印象的なディレクションがありましたらお聞かせください。
徳井 「ニャー」と鳴く台詞の時は、そのまま言葉で話すのかと思ったら、「リアルな鳴き声にしてください」というディレクションをいただきました。その後は、指示がなくても自分の判断でリアルな鳴き声を入れたりもしましたね。
芹澤 私は場合、パンダの鳴き声を調べたら奇声みたいでちょっと怖い、リアルな鳴き声だったんですよ(笑)。「パンダはメェ~と鳴く」というナレーションが入る場面では、「リアリティよりも(文字通り)メェ~と鳴いてください」と言われて。なので、本編中のメイメイちゃんはかわいい雰囲気の「メェ~」という鳴き声が多いです。
――ちなみに、メイメイが話す中国語は苦労しましたか?
芹澤 たまたまなのですが、実はちょうど中国語の勉強をしていて。出てくる言葉がもともと知っている単語だったので、発音は大丈夫でした。中国語は音(発音)によって意味が違うぐらい、音を大事にしているんですよ。
玄田哲章が担当するナレーションや、津田健次郎が演じる各話♂(オス)動物にも注目
――本作のキャストは若手からベテランの方までいらっしゃいます。アフレコ現場の様子はいかがですか?
徳井 ランカ役の木野日菜さんはすごく真っ直ぐにお芝居をなさっていて、ジン役の石谷春貴さんと一緒に現場を引っ張ってくださいました。あと、“ティラノサウルス(♂)”・寺野先生役の玄田哲章さんはナレーションも担当されているのですが、ツッコミとしての役割もあるといいますか、シーンをしっかり締めてくださっていて、面白くてつい笑ってしまうんですけど、さすがだなと思いました。動物豆知識の解説がためになりますので、玄田さんのナレーションはぜひ小さいお子さんにも聞いてもらいたいです。
芹澤 私はストーリーの途中からアフレコに参加したのですが、現場はやっぱり学校のような雰囲気があって、転校生が緊張しながら会話に探り探り入っていく感じを体験しました。最初から「いえーい!」とはいけなかったですね(笑)。
――津田健次郎さんは“各話♂(オス)動物役”として、毎回役が変わるのですね。
徳井 そうなんです。格好いい声の先生役もあれば、予想もできないひょうきんな声のキャラクター役の時もあって、毎回アフレコで聞いていて楽しかったですね。
芹澤 津田さんはすごく素敵な声なので、ハンサムなキャラクターに当てたら最高の組み合わせじゃないですか。だから、ちょっとシュールな役を演じられている時は、レアな場面に立ち会えたという感動がありました。
徳井 あと、各話で異なるキャラクターを演じられているということもあって、結構アドリブを入れてくださっているので、そこも笑いどころだと思いますね。
――津田さんが宣伝隊長として実写のビジュアルやPVに登場していたのも驚きました。
徳井 私もビックリしました(笑)。
芹澤 津田さんを贅沢に使ってらっしゃる(笑)。
――物語の前半から中盤にかけて、好きなシーンや印象的なシーンをあげるならどこですか?
徳井 やっぱりクルミちゃんが初登場する回(第2話)はすごく好きですね。最初はツンとしているけど、仲間に入ったら逆にそっけない感じになって。ネコによくあるツンデレ具合がすごく表れていたのが、本当にかわいいなって思いました。
芹澤 私もメイメイの初登場回(第6話)ですね。メイメイは小生意気な発言が多いので完全に嫌われないように、むしろ愛されるキャラクターになっているように大事に登場させていただきました。今まで苦労ゼロで生きてきた子が、ジンくんにあしらわれてMが開花するのもよかったです(笑)。
――では、ご自身が演じられたキャラクター以外で気になるキャラクターは?
芹澤 アフレコで初めて木野さんのお芝居を聞いた時、心の中で「これだ!」と言ってしまうくらいイメージしていたランカとぴったりだなと思いました。すごく守りたくなるというか、かわいらしさと愛おしさが出ているのがたまらないですよね。これは木野さんにしか演じられないランカだなと思いましたね。
徳井 優ちゃんもメイメイにぴったりだと思うよ。ナンバーワンアイドルにふさわしいし、あの憎めない感じも優ちゃんにしか出せないですよね。
芹澤 ありがとうございます!
徳井 私はナマケモノがもともと好きなので、やっぱりミユビちゃんが気になりますね。(会話の)テンポが全然違うので演じるのは難しそうですが、彼女の一生懸命なところや、みんなに合わせたいのに合わせられないもどかしさもかわいらしいなと思って、ミユビちゃんを応援しています。
――「シートン学園」にちなんで、動物に関する思い出をお聞かせください。
芹澤 私はすごくネコが好きなので、ネコを飼いたかったんです。でもやっぱり、鳴き声があまりしなくて、飼うのが簡単な動物はいないかなと思った時に、世界一小さいウサギの“ネザーランドドワーフ”を見つけたんです。とてもかわいくて、飼いたいなと迷っているところです。
――なんとなく飼っていそうなイメージがありました。
徳井 ありますよね。大きなイヌとか、毛が長くてフワフワのネコとか(笑)。
芹澤 ペルシャとかですかね? 私は兄弟が多いので、親が「これ以上増えたら大変……!」と言っていたんです(笑)。でも、ひとり暮らしをしていると寂しさもあるので家族が欲しいなと思っています。
――徳井さんは動物を飼ったことは?
徳井 私もないんです。でも、小学校の頃に秘密基地のようなところで、野良の子ネコや子イヌたちを友だちとみんなでお世話していたことはあります。
――先ほどナマケモノが好きだと言っていましたが、何かきっかけがあるのですか?
徳井 自分がのんびり屋なところもあるので、ゆっくりな動きの動物を見るのが好きなんですよ。ナマケモノ以外だと、牛とかも大好きです。
――最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
徳井 この作品には魅力的な動物キャラクターがたくさん登場します。その中でクルミちゃんはかわいさを極めている1匹なので、ぜひ注目してご覧ください。ネコが喉をゴロゴロ鳴らしてみんなを魅了するように、観てくれた皆さんがクルミちゃんにハマっていただけたら嬉しいです。今後も応援よろしくお願いします。
芹澤 メイメイは本当に国をあげて愛されているキャラクターなので、キャラに負けないように私も精一杯愛らしさを込めて演じました。ぜひ国をあげて好きになっていただけたら嬉しいです(笑)。本当にメスもオスも魅力的なキャラクターがいっぱいなので、ぜひ観てくださいね。
(取材・文・写真/千葉研一)
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