Steamゲームレビュー:脳汁炸裂! 手に汗握るPVP剣術アクションゲーム「MORDHAU(モルダウ)」

この連載では、PCゲームのプラットフォームとして今盛り上がっている「Steam」で遊べるオススメゲームを、「Steam」のコアゲーマーである、“すちーむまにあ”こと、辻村美奈が詳細にレビュー。その面白さを紹介していきます。


今回紹介するのは、中世を舞台にした近接FPSゲーム「MORDHAU(モルダウ)」です。反響が大きすぎて発売初日はサーバーに不具合が出るほど好調な滑り出し、発売から1週間で50万本、翌月には100万本を達成しています。ピーク時の同時接続数は約6万人。インディーズゲームの中では驚異の数字を記録しました。

“自分たちの手で次世代の中世FPSを作りたい”という思いから生まれた


今回紹介する「MORDHAU」は、近接FPSとして有名な「Mount and Blade」や「Chivalry」などの名作ゲームのベテランプレイヤーが集まって作ったゲームです。資金調達はKickstarterで行われ、およそ3000万円以上を集めて作られました。なんでも、早期アクセスではなく、製品版でリリースしたいという強い思いから、予定から1年遅れの今年4月30日にリリースしたとのこと。


引用元:Steamストアページ

弱くても楽しめる! 最大64人のわちゃわちゃ戦争が面白い


現在実装されているゲームルールは、PVPモードのBattle Royale(バトロワ)、Frontline(最大64人で2陣営に分かれ、陣地を取り合い相手のチケットを消化する)、COOPモードのHORDE(ウェーブでAIの敵が押し寄せてくる)の全3種です。


なかでもおすすめなのがFrontline! 最近の人気ゲームはバトロワが主流です。しかし、バトロワはリスポーン(生き返る)がなく、大勢の中で勝ち残るというゲームであるため、参加人数に対して勝者が少なく、強い人じゃなければ楽しむことができないという欠点がありました。しかしFrontlineのように2陣営で分かれて拠点を取り合うルールであれば、大勢の仲間と協力することで、あまり強くなくても楽しく遊べます。

基本的な戦い方! 手に汗握る読み合いが魅力


このゲームの最大の魅力はやはり剣術アクションです。戦い方は、左クリックで通常攻撃、マウススクロールで突き攻撃です。さらに、FPS視点の状態で、武器の振りに合わせて視点を横に移動させると、さらに早く攻撃を決められます。COOPモードはもちろん、PVPモードでは必須のテクニックのようです。また、右下がり攻撃や、右上がり攻撃など細かく設定画面で変えることもできます。FPS視点とTPS視点という2つの視点があるのでFPS視点が苦手な人でも楽しめます。


防御は、敵の攻撃タイミングに合わせて右クリックで行います。盾を持っていない場合は、武器を使ってパリィすることができます。ただし、何度も攻撃をパリィし続けると、武器を落としてしまうので注意が必要です。自分の攻撃タイミングを伺いながら防御しなければならない+フェイントをかけてくる敵もいるので、とてもヒヤヒヤします。

自分だけの兵科を作れる!


「MORDHAU」では、あらかじめ武器や防具が決められているプリセットキャラか、自分でカスタマイズできるカスタムキャラのどちらかを選択できます。プリセットキャラには、工具箱を使って壁やバリスタを作れるエンジニアや、重装備で剣を持っているナイトなどがあります。最初はプリセットキャラで遊んでみて、好きな武器ができたらその武器を使ったカスタムキャラを作るというのがおすすめの遊び方です。


カスタマイズは、使えるスキルポイントの上限が16と決まっていて、武器や鎧やパークなどそれぞれにスキルポイントを消費します。当然、強い武器・強い鎧・強いパークは消費スキルポイントも高いので、うまくバランスを取りつつ組み合わていきます。これが、個人的にはめちゃくちゃ面白い! 防具は色やマークを変えることができるので、自分だけのキャラを作成してもいいですね。


近接FPSということで、武器は近接武器が圧倒的に多いです。投げ斧や、弓、クロスボウなどもありますが、リロード時間が長いため最前線では戦いにくく、遠隔武器が多いチームは負ける傾向があります。また、Peasant(農民)というパークを使うと通常武器が使えなくなる代わりに、フライパンやルートという楽器などを使えるようになります。ルートは、演奏して戦場を癒すことができますが、めちゃくちゃ弱いので完全にネタパークです。

実際に遊んでみた


まずはTOPページにある「FIGHT」を選択。マッチメイキングで選びたい場合は、そのままモードを選択し、エリアを選択しSearchします。サーバーを選んで遊びたい場合は、上部にある「server browser」を選択して入りたいサーバーを選びます。今回は、PVPのFrontlineで遊びました。


今回は筆者のカスタムキャラ「yarikun」を使います。武器はSpearという強めの槍で、Rキーで持ち方を変えると短く持ったり、長く持ったりできます。


MAP内には、このサプライボックスがところどころに設置されています。この箱の前でEキーを押すと、弾薬やなくしてしまった武器などを補充できます。


死んでしまうと、リスポーンまでの間、生存者を観戦できます。つまり、敵の観戦もできちゃうんです。すごいですよね。因縁のライバルをじっくり観戦し、居場所を把握したり、うまいプレイヤーの戦闘を勉強したりして、次の戦いに生かしましょう。


実はこのゲーム、裏取り(敵陣営の背後に回る)がとても難しいんです。前述した通り、大勢に囲まれると瞬殺されてしまいがち。つまり、裏取りしても、鴨が葱を背負って来るようなもの。筆者のように戦闘に自信がない場合は、気を付けましょう。


槍兵の醍醐味は、何と言ってもチクチク攻撃。近くにいる味方を把握し、味方が戦闘を始めたらすぐに加勢します。敵に囲まれないように立ち回れば、生存率が上がります!

戦闘ができなくても、チームに貢献できる!


実際に100時間遊んでみた感想としては、槍と斧がめちゃくちゃ強かった! 槍は、リーチが長いので安全にチクチク攻撃をすることができますし、斧は殺傷能力がとても高く、一気に複数人killができます。だから、当てることさえできれば形勢逆転できます。逆に、筆者には難しく感じたのがレイピア。レイピアは攻撃速度が速いのですが、攻撃力が弱い。何度も当てないといけないので、複数人に囲まれてしまうと絶体絶命。これをうまく使えるのは、攻撃を何度も当てることができる反射神経が高い人でしょう。


初心者におススメなのが、「救急キットガチ積み兵」。救急キットを3個を持って戦場に向かい、MAP内に救急キットをばら撒いて死体から武器を頂戴して戦うというコンセプトです。救急キットは、仲間に使ってもらうたびにスコアポイントが50もらえます。戦闘ができなくてもチームに貢献できるうえ、このポイントだけでスコア上位になれちゃいます。ひとつ注意しなければならないのは、この救急キットは敵も使えるという点。だから、味方の最前線の一歩後ろくらいに置くのがベストです。

一度遊べばハマること間違いなし! 近接FPSもやっぱりヘッドショットが気持ちいい


筆者は初の近接FPSだったのですが、初日は20時間ぶっ続けで遊んだほどドハマりしました。近接FPS初心者の場合、もちろん最初は戦闘が難しいのですが、ヘッドショットが決まった時のブチャッという効果音と脳汁があふれ出るような感覚は、一度味わうと病みつき間違いなし。逆に、敵にヘッドショットを決められた時は、頭が宙に舞い上がり画面がぐるぐる回転するのでめちゃくちゃ不快です……。


兵科をカスタマイズするのも「MORDHAU」の醍醐味。カスタマイズしている時間も至福のひと時です。1度買えば間違いなく100時間以上遊べる奥が深いゲームだと思います。近接FPSをまだ遊んだことがないという方にこそおススメしたいです。


今回は英語で遊んでいますが、日本語にもしっかり対応しています。

タイトル情報

「MORDHAU(モルダウ)」(Triternion)
2019年4月29日発売
価格:3,090円(2019年9月4日時点)
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筆者:すちーむまにあ(辻村美奈)

オフィスマイカに所属するライター兼ゲーマー。好きなゲームのジャンルは、サンドボックスのサバイバルゲームや、ホラーゲームなど。プレイスタイルは、コミュ障炸裂でVC勢に怯えるテキストチャットガチ勢。


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