【インタビュー】ナノがベストアルバム「I」をリリース。タイトル通り、究極のパーソナルが詰まった作品に!

メジャーデビューから8年。ナノが、2枚組のベストアルバム「I」をリリースする。DISC1は、1stシングル「Now or Never」から、11thシングル「KEMURIKUSA」までを網羅して、すべてがタイアップ曲。もっともキャッチーなナノの軌跡を楽しめるDISC2は、デビュー前の活動に原点回帰して、新たにボカロ曲のカバーに挑戦。さらに、新曲「INSIDE MY CORE」や、人気曲「magenta」のニューバージョンとバラエティ豊かな構成。今がまさにベストアルバムを世に送り出すタイミングだったと語るナノ。充実の内容を堪能してほしい!

ナノの一番いいところを詰めた、濃厚なベストになりました


──「I」は、シングルのタイトル曲とアルバムのリード曲がすべて収録されたベストアルバムになりましたね。

ナノ ここまで濃厚なベストになるとは思っていなかったので、自分自身、贅沢な気持ちでいます。ナノの一番いいところを詰めて、世の中に出せるというのはうれしいですね。

──このタイミングでベストアルバムをリリースしようと思ったのは、なぜでしょうか?

ナノ デビューして8年やってきて、次のステップに行きたいタイミングだったと思います。特に意識したわけではなく、自然の流れで、今かなという感じでした。5周年とか10周年とかかっちりとした数字があってのベストではないということで、より自分発信という感覚が強いアルバムになりました。

──アルバムタイトルも、シンプルだからこそ力強さを感じさせるものになってますね。

ナノ ベストだからこそ、自分らしいタイトルを付けたいと思って、究極のパーソナルという意味での「I」にしました。自分の意思で歌い始めてここまで来て、ベストアルバムを背負ってこれからも突き進んでいくんだという表明になったと思いますし、ニコニコ動画でカバーをアップしていた時代も含め、今までの音楽活動で重要だったものをすべて詰め込んで、今のナノのフィルターを通して改めて世の中に出したアルバムにふさわしいタイトルになったと思います。

──途中からナノさんのファンになった人にとっては、足取りをたどることができる作品になってますよね。

ナノ そうですね。過去の曲を聴いていただくことで、よりナノの音楽を好きになっていただけたらうれしいです。

──DISC1は、シングル曲がリリース順に収録されています。「Now or Never」と「No pain, No game」がデビューされた2012年のリリースですね。

ナノ 2ndシングルの「No pain, No game」(TVアニメ「BTOOOM!」オープニングテーマ)は、自分の中ではすごく難しい曲で、強く印象に残ってます。チャレンジしないと歌えない曲だったので、ここから一気にプロ意識が上がった感じがしました。ちょっとやそっとの歌じゃ、これから先はやっていけないんだと。その予想通り、それ以降は鬼みたいに難しい曲が続くことになるんですけど(笑)。「No pain, No game」はライブで歌うときも真剣勝負という感があって大好きですし、ある意味、「化け物」的な曲だなと思っています。


──ナノさんの音楽の土台となった曲と言ってもいいのでしょうね。DISC1はアニメタイアップ曲が中心でアップテンポなナンバーが続きます。その中で、8曲目の「DREAMCATCHER」(TVアニメ「魔法少女育成計画」エンディングテーマ)は広がりのあるミディアムナンバーになっていますね。

ナノ シングルはほとんどの曲が葛藤や苦しみがテーマになっているんですが、「DREAMCATCHER」はただただ幸せと夢を伝える歌詞になっていて、ナノのもうひとつの面を表現できた曲になりました。こういう壮大な世界観は個人的にも大好きで、ライブで「DREAMCATCHER」を歌うときはライブ会場が2倍に広がったんじゃないかと思うくらいです。歌っているととてもやさしい気持ちになれるし、お客さんともつながれる曲だなと思っています。


──変わり種としては、和風テイストの「ウツシヨノユメ」(TVアニメ「かくりよの宿飯」オープニングテーマ)があります。

ナノ 「ウツシヨノユメ」は海外での評判が高くて、YouTubeにアップしたミュージックビデオ(MV)のコメントにも英語がずらっと並んでいるんです。和風だからこそボーダーレスになった曲ですね。アニメ作品との出会いによって、いろいろなタイプの曲を歌うことができるのは、ありがたいことだなと改めて思いました。ナノの音楽は基本的にはロックですが、アニメのおかげでそれに付けられる飾りが増えて、自分の引き出しをたくさん作ることができました。アニメ作品と関わることで、音楽的にも大きな刺激を受けてきたと思います。


──DISC1のラストに収録されている「KEMURIKUSA」(TVアニメ「ケムリクサ」オープニングテーマ)も評判になった曲でした。

ナノ 「KEMURIKUSA」は、とにかく激しい曲という第一印象だったんですけど、ライブで歌うと不思議な感覚に包まれるんですよね。ここではないどこかに行ってしまうというか、違う次元にみんなで入り込むような感じで、ライブには必須の曲になりました。ひと言で激しい曲と言っても、それぞれに違う要素があって、「KEMURIKUSA」はとても生々しい曲だなと思います。それから、完成を目指しちゃいけない曲という言い方もできて、歌うたびにもがき苦しみたいし、新しい発見をしたいし、未知の世界に巡り会いたい曲ですね。


──完成を目指してはいけない曲というのは、面白いですね。

ナノ 逆に完成を目指す曲というのもあって、たとえば、「SAVIOR OF SONG」(TVアニメ「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」オープニングテーマ)がそうなんです。この感覚はライブで歌うとよくわかるんですね。

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