【インタビュー】内田真礼、ファンへの想いを伝える10thシングル「ノーシナリオ」をリリース!

2019年11月から12月にかけて開催された「UCHIDA MAAYA Zepp Tour 2019『we are here』」を成功に導いた内田真礼。そのツアーで感じた想いをもとに制作されたのが、2020年最初のシングルとなる「ノーシナリオ」だ。7月には、横浜アリーナでのワンマンライブが決定している彼女。大きくステップアップしようとしている今、改めてファンへの熱い気持ちを伝える1枚となった!

内田真礼に包まれるような楽曲とMVになりました


──ミュージックビデオ(MV)の話から入らせていただきますが、「ノーシナリオ」のMVは、普段の内田さんはこんな感じなんだろうなという姿が、たくさん映っている映像でした。

内田 すごくナチュラルな姿が映ってますよね。監督さんが、「からっぽカプセル」や「Hello,future contact!」のMVとか、写真集のメイキングDVD「まあや、フランスに行ってきましたっ!!」を撮ってくださった方で、私のことを長く撮ってきてくださったからこその親密感が出ていました。リップシンクのシーン以外は、実は携帯のカメラで撮っていて、それも距離の近さをかもし出していると思いました。

──MVなのにオフショット感があるんですよね。歯磨きをしているシーンとか、なかなか見られない姿だなと思いました(笑)。

内田 MVで歯磨きシーンなんて、珍しいですよね(笑)。朝から撮影していて夕方になり、そろそろ歯を磨きたいなと思っていたときにあのシーンの撮影になったので、タイミングがよくて。すっきりできたおかげで、夜の撮影も気持ちよくできました。

──公園など野外でのシーンも多いのですが、天気はあいにくで。

内田 寒かったです!(笑) 映像ではわかりづらいかもしれませんが、当日は雪だったんです。頭や服に積もった雪をスタイリストさんに振り払っていただきながらの撮影でした。でも、傘を差して外を歩くシーンは、MVのいいアクセントになっていて、逆によかったなと思いました。

──自然体の内田さんを撮ったMVは、「ノーシナリオ」という曲のテーマとも合致しているように感じました。

内田 はい、私との距離の近さが「ノーシナリオ」のテーマです。だから楽曲も私の声がたくさん聞こえてくる作りになっていて、ハモも全部、自分で歌いました。楽曲もMVも、内田真礼に包まれているような作品になったと思います。


──「ノーシナリオ」は、ファンへの想いがたくさん詰まった楽曲でもあります。

内田 今回のシングルはノンタイアップだったので、テーマ設定などから自由に作ることができたんです。なので、今までタイトル曲ではあまりやってこなかった、ファンのみんなに私の想いをストレートに伝える曲を作ろうと考えました。

──「ノーシナリオ」は作詞・作曲が渡辺翔さんです。

内田 私からお願いして、翔さんに書いていただきました。寄り添うような歌詞と美しいメロディで、ご本人も「ド真ん中の名曲だ」とおっしゃっていました。

──作った本人から、その言葉が出るのはすごいですね(笑)。

内田 レコーディングのときにふとつぶやいてらっしゃって、みんなからいじられてました(笑)。でも、本当に直球で心に響く曲だなと思いました。

──歌詞はライブを連想させるものになっていました。

内田 歌詞に注目して聴いてもらいたい、ライブ曲になりました。今まで歌ってきたライブ曲はアップテンポで、コール&レスポンスの部分をたくさん作ってみんなで盛り上がろう!という感じだったんですけど、今回はちょっと違ってテンポもゆっくりめなんです。

──明るくて、勢いのある曲ではありますが、拳を突き上げたりジャンプしたりという感じではないんですね。

内田 デモの段階ではもっとテンポが速い曲だったんです。速いテンポだと、むしろこの曲のよさが伝わりづらくなるんじゃないかということで、試しにテンポを変えた3パターンを歌ってみたんですね。その中で一番遅いバージョンを選んで完成形にもっていきました。急ぎ足にならずに、ちゃんと歌詞が伝わる曲にしようというのが、真礼チームが出した結論でした。

──内田さん自身は、どう感じましたか?

内田 「take you take me BANDWAGON」とか、めちゃめちゃ速いライブ曲を歌ってきて限界までたどり着いた感があって(笑)。去年冬のZeppツアーを経て生まれた今の想いを、みんなにじっくり聴いてもらいたいなと思いつつ、落ち着き過ぎないテンポ感とアレンジになって、まさにこれというポイントを押さえてくれた曲になりました。

──Zepp ツアーが終わってから、この曲の制作に入ったんですか?

内田 そうですね。シングルの話はツアー前から出ていたんですけど、12月16日の最終日を越えるまでは、私自身まったく新曲について考えることができなくて。しかも、12月28日にバースデーイベントがあったので、制作にちゃんと向き合えるようになったのは、それ以降でした。バースデーイベントが終わった日の夜に、今、私はこんなことを感じてますということを、プロデューサーの冨田(明宏)さんやスタッフのみんなと話して。

──ツアーを終えたとき、どんな想いがありましたか?

内田 ツアーはもちろん楽しいんですけど、やっている間はいつも不安があったんです。でも、Zeppツアーをやりきったとき、ファンのみんなともスタッフとも完璧に意思疎通ができたような気がして、「大丈夫だ!」と思えたんです。何度も何度もライブをやってきて、強い信頼関係をみんなと築くことができたなって。だから、Zeppツアーを終えての想いというより、今までやってきたすべてのライブを越えての想いという感じですね。

──「ノーシナリオ」の歌詞で印象的だったのは、「まだ未完成な話」とか「途中ばっか重ねてハイライト尽くし」とか、道の半ばにいるということを表現した言葉が多いということでした。

内田 「終わり」ってつまらないよねって思ってて。ずっと歌っていたいし、ずっと成長を続けていたいという想いが、そこに表れていると思います。サビに「穴あきの僕らの歌」という歌詞があるんですけど、私は全然完璧な存在ではなくて、人間として成長できていない部分もたくさんあって、でもそんな弱さを見せ合って、受け止め合える関係っていいよねって思うんです。それが「ノーシナリオ」というタイトルにも繋がっていて。まだまだわからないことだらけで、未来はまったく見えないけれど、前に進んでいる私とみんなという。

──歩んでいるのは、決められた道ではないという自由さを感じるタイトルです。

内田 私自身がそういう気持ちで生きているので、すごくしっくり来るタイトルでした。本業は声優なんですけど、声優らしくない仕事も最近はたくさんやるようになってきて、決められていない道を歩いていくのが私らしさなのかなと。でも、それはライブという居場所があるからなんですよね。みんなのもとに帰れる場所があるからこそ、私はどこにでも行けるのかなと思います。

──レコーディングはいかがでしたか?

内田 テンポがいつもに比べて遅い分、難しかったです。この曲の魅力のひとつなのですが、盛り上がりを溜めて溜めて、最後にバーンって解放するという流れがあって、ライブで歌っている姿がイメージできました。

──曲のテンションが変わる瞬間が、後半にあって。

内田 そうなんです。最初は距離が近いところで歌っていたと思ったら、一気に明るくて広い世界に連れ出されているイメージがありました。

──なるほど、最初はパーソナルな内田さんで、途中からライブのステージで歌っている内田さんにスイッチしていくような感じになっているんですね。

内田 ですから、MVは「ノーシナリオ」の前半のイメージなんです。その先の広がりは楽曲のクライマックスで感じていただきたいです。

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