発売直前! 「バイオハザード RE:3」の体験版と「バイオハザード レジスタンス」のオープンベータテストをレビュー

2020年4月3日(金)に発売予定のPS4/Xbox One/Steam向けサバイバルホラー「バイオハザード RE:3」(以下、バイオRE:3)。1998年に発売された「バイオハザード3」を原作に、現行機向けによみがえらせたフルリメイク版だ。現在、本作に収録されている「バイオハザード レジスタンス」を含め、体験版が配信されている(「バイオハザード レジスタンス」のオープンベータテストは4月2日(木)23:59までの期間限定)。本稿では、両タイトルのプレイレビューをお届け! 発売日直前の製品版情報のおさらいもかねて、ぜひチェックしてほしい。なお、本作の製品版のレビュー記事も近日公開する予定だ。

追跡者との戦闘、ステップ、緊急回避……「バイオハザード RE:3」の核を体験できる

本編の体験版はボリュームが控えめ。筆者が遊んだ際のクリア時間は30分前後だった。だが、「バイオRE:3」の核となる要素は十分に楽しむことができる。 まずあげるべきは、やはりネメシス。原作では「追跡者」と呼ばれていたこの生体兵器は、巨大製薬会社アンブレラによって開発された試作体で、大規模な災害が発生したラクーンシティに投入。同市の特殊部隊「S.T.A.R.S」の隊員であるジルを抹殺すべく、執拗に追いかけてくる。巨大な体や黒いコートは「バイオハザード RE:2」などに登場したタイラントを思わせるが、そちらとは別物だ。

ジルの倍近い図体を持つネメシスだが、恐ろしいほどの速さで距離を詰めてくる。高い知能を持っており、こちらの行く先に先回りしてきたり、触手を伸ばしてジルを引き寄せたりと、行動のバリエーションが多い。室内に逃げても、ネメシスはドアを開け、あるいは壁を破壊し、どこまでもジルを追いかけてくる。さらに並み外れた再生力を持ち、たとえ大ダメージを与えて膝をつかせてもそれは一時しのぎにしかならず、少しすれば完全に回復されてしまう。ネメシスと出会ったらまず逃げるべきで、まともに戦う相手ではない。なお、体験版では手榴弾1個でネメシスを無力化できたが、前作のタイラントと比較するとあまりにあっけなく、体験版仕様として少し弱く設定されているのかもしれない。また、今回移動できる場所はかなり制限されていたが、その狭さがかえって追われるという恐怖感を増幅させていたように思える。

「ステップ」と「緊急回避」もまた、「バイオRE:3」の新要素。ステップは、R1+左スティックを倒すと発動し、任意の方向にすばやく移動することができる。「バイオハザード RE:2」と同様、本作のゾンビは非常に体力が多い(ハンドガンによるヘッドショットで4~5発ほど)ので、残弾を節約するために戦闘を避けることもあるだろう。ただ、回避技として便利だが移動距離は短い。ステップを使うような状況を自分から作るのではなく、あくまで不意の攻撃の対処法として使ったほうがいいと感じた。

「緊急回避」は、敵から攻撃を受ける直前にステップを行うことで発動。任意の方向へ移動後、銃を構えると自分以外がスローモーションになり、襲ってきた相手を一方的に攻撃できる。要は緊急回避を決めればかんたんに敵を倒せるわけだが、緊急回避の成功タイミングは非常にシビア。失敗すればダメージを受けるので、ハイリスクハイリターンだ。だが、ネメシスの攻撃も緊急回避で対処できるため、追い詰められた際は起死回生の力になってくれるだろう。

非対称対戦が楽しめる「バイオハザード レジスタンス」

本編とは打って変わり、こちらはマルチプレイ専用タイトル。アンブレラの実験施設を舞台に、プレイヤーは脱出を図る「サバイバー」(4人)と、脱出を妨害する「マスターマインド」(ひとり)に分かれて戦う。

施設は3つの区画に区切られ、それぞれのドアを開けるために必要なキーアイテムを探しながら制限時間内に最奥の出口を目指す、というのがサバイバー側の目的となる。サバイバーたちは4人それぞれが、回復能力やマスターマインドの妨害など、さまざまなスキルを持つ。マスターマインド側がどのような敵をどこに配置するかはまったくわからないため、単独で突っ込んでもろくに活躍できず倒されてしまうのがオチだ。戦闘不能になっても一定時間内なら味方によって蘇生してもらえるが、その間サバイバー側の戦力は半減してしまう。蘇生されなかったプレイヤーは一番近い区画の入口で復活できるが、代償に制限時間が大きく減らされるため、リスクも大きい。なるべく4人が力を合わせ、固有のスキルを駆使したチームワークが攻略のカギとなる。

各区画の入口にはショップが設置されており、武器や弾、グリーンハーブ(回復アイテム)などとの交換が可能。交換に必要なお金は、敵を倒したり、施設の一部で拾うことができる。戦闘で特に役立つのが、近接武器。ゾンビに接近戦を挑むのは危険だが、本作ではハンドガンによる一発より、バットやハンマーによる一撃のほうが高威力。近くで振り回しているだけでゾンビやゾンビ犬をすぐに倒せる。ただ、近接武器には耐久度があり、敵に攻撃を当てるたびに減少。最終的に壊れてしまう。耐久度は「リペアキット」があれば回復できるので、近接武器を使うならひとつは持っておきたいところ。ショットガンやマグナムといった強力な銃もショップにあるが、弾は買えず、購入時に装填されている分だけ(ハンドガンの弾は購入可能)。リッカーなどの厄介な敵に対してのみ使うような、切り札的な使い方がいいのかもしれない。

オープンベータテストでは、何回かサバイバー側で挑むもすべて敗北。筆者はクイックマッチで無作為に選ばれたプレイヤーたちと組んでいたためか、仲間との意思疎通がうまくできなかったことが痛かった。私は使いこなせなかったが、「こっちだ」や「了解」といった定型文でのやり取りができるので、これからベータテストや製品版を遊ぶ人は、ぜひ活用してほしい。

実験施設の管理者であるマスターマインドはサバイバーの脱出を徹底的に妨害し、時間切れを狙う。施設に複数設置されたカメラを通して、マスターマインドはサバイバーを監視、ゾンビや罠を設置していく。設置できるものにはコストが存在する。コストは時間とともに増加してゆくので、低コストの罠を大量に置くか、あるいはコストを溜めてより強力なものを呼び出すかは、プレイヤーの戦術次第だ。走っているサバイバーが「トラバサミ」に引っかかり、解除している間に、奥から来たゾンビに襲われる瞬間などを見るとつい、したり顔になる。


勝つために重要なのは「いかにサバイバーを待ち受けるか」。つぎの区画へ向かうためのアイテムのひとつを奪われそうなときに、その場で敵を1、2体配置しても意味はない。手遅れだ。いったん退いて、彼らが戻る際に使う道、2つ目のアイテムがある部屋に目を向ける。常に先を見据えて行動する。これを意識するだけでも、だいぶ冷静にプレイできると思う。なお、今回のベータテストでは登場していないが、新たなマスターマインドとして、「アレックス・ウェスカー」や「オズウェル・E・スペンサー」の存在が判明している。

マスターマインド側には切り札がある。「アルティメットスキル」と呼ばれるもので、強力なクリーチャーを呼び出し、一定時間操ることが可能。ダニエルの場合はタイラントとなっており、強烈なフックや突進といった格闘技が特徴だ。タイラントが出てきた瞬間、サバイバー側は示し合わせたように逃げ出すので、追い詰め、ぶっ飛ばすのは爽快。ただ、タイラントは動くにも攻撃するにも遅いので、広い場所にいるサバイバーは取り逃がすことも多かった。アルティメットスキルで出てくるクリーチャーの能力を把握し、力を存分に発揮できるよう考慮するのも、マスターマインドの役割と言える。相手をリスポーンさせれば制限時間を大きく減らせるので、アルティメットスキルを使うタイミングが勝利に直結するだろう。

「バイオハザード2」のリメイクタイトルである「バイオハザード RE:2」は2019年の「Game of The Year」にノミネートされ、世界的にはもちろん、筆者の主観でも、まぎれもない傑作だった。今回触れられたのは製品版の一部に過ぎないが、前作の完成度から見ても世界中から寄せられるだろう大きな期待に応えられるクオリティになっている。ついに明日発売となった「バイオハザード RE:3」を遊べるときが待ち遠しい。

(文・夏無内好)


【作品情報】
■バイオハザード RE:3(バイオハザード レジスタンス収録)
ジャンル:サバイバルホラー
対応機種:PlayStation 4/Xbox One/Steam
プレイ人数:1人(バイオハザード レジスタンスでは最大5人)
価格:7,800円(税別)
発売日:2020年4月3日(金)
CERO:D(17歳以上対象)
※Z versionはZ(18歳以上対象)

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