2作品がデッドヒート! 見事1位を制したのはあのARアイドルの作品! 「2020年冬アニメ人気投票」結果発表!

2020年3月19日~4月3日の期間で開催された、アキバ総研公式投票企画「どの作品がおもしろかった? 2020年冬アニメ人気投票」。その結果についてレポートしよう。はたして、アキバ総研のユーザーが面白いと感じた冬アニメはどんな作品なのだろうか。


まず、投票数の多かった順のベスト10作品を見てみよう。


1位 「ARP Backstage Pass」……637票
2位 「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」……526票
3位 「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」……86票
4位 「理系が恋に落ちたので証明してみた。」……80票
5位 「地縛少年花子くん」……60票
6位 「恋する小惑星」……49票
7位 「ハイキュー!! TO THE TOP」……46票
7位 「推しが武道館いってくれたら死ぬ」……46票
9位 「ダーウィンズゲーム」……45票
10位 「映像研には手を出すな!」……44票

数ある冬アニメ作品の中で、1位と2位の2作品が他を大きく突き放すデッドヒートを繰り広げた。そのつばぜり合いの中で見事1位をもぎ取ったのは、ARを使った実在のバーチャルアイドルをベースにしたアニメ作品「ARP Backstage Pass」であった。ARPについては、アキバ総研でも過去に何度も取り上げ、そのステージングの素晴らしさ、ファンの熱狂度などについてお伝えしてきたが、アニメ化された本作においても、その人気は全く衰えることを知らずといった感じで、多くのファンが本作を視聴し、そして本投票にも積極的に投票を行ったものと思われる。視聴者層がほぼ女子に限定されており、視聴した人とそうでない人の差が大きい作品ではあったが、見事堂々の1位の座をしとめた。


この「ARP Backstage Pass」の対抗馬となったのが、2位の「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」である。あおきえいさんによる完全オリジナルの作品ということで、放送開始前にはどんな話になるのか全く見当が付かなかった本作。放送が始まっても、そもそもの世界観が把握しづらく、謎が謎を呼ぶ展開で、視聴者を煙に巻き続けたとも言える本作であるが、近年めっきり少なくなったオリジナルもののハードSF作品として評価は高い。かなり複雑にからみあった展開を考えながら見ないと、ストーリーについていけなくなるというような難解な作品だが、それだけに中毒性も高く、このような高評価を得るに至った。

というわけで、上記の2作品がそれぞれ500票以上の大量票を集めたのに対し、ほかの作品については、いずれも100票以下の低得票となった。しかし、票数はさほどではなくとも、今期アニメは意外な良作が多かったように思える。


まず、3位に入った「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」(愛称「防振り」)、そして4位の「理系が恋に落ちたので証明してみた。」(愛称「リケコイ」)は、いずれもライトノベル原作のコメディタッチの作品であるが、よくありがちな設定でありながらも、作品としての出来はなかなかよく、深く考えずに見ても楽しめる作品として人気を呼んだ。6位の「恋する小惑星」も、いわゆる「きらら系」作品であるが、最近の「ゆるキャン△」などに代表されるような、ほんわか部活モノとしてよくまとまった作品として評価を得ている。


しかし、この種の作品の中でも異色の出来のよさを見せたのは、7位の「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(愛称「推し武道」)だろう。今回の投票の順位こそ7位と、ややふるわなかったが、岡山という地方を舞台にした地下アイドルグループと、それを支持するヲタ、いやファンとの心温まるストーリーが、笑いとともに繰り広げられた傑作となった。

いっぽう、コミック原作の若干ハードな雰囲気の作品と言えるのが、5位「地縛少年花子くん」と、9位「ダーウィンズゲーム」であろう。「地縛少年花子くん」のほうは、「ダンガンロンパ」などでおなじみのLercheが制作したこともあり、同作と同じような、コミカルながらもミステリアスな雰囲気が秀逸。「ダーウィンズゲーム」については、いわゆる異能者同士のバトルロイヤルゲームものであるが、共闘と裏切りという、この手の作品につきもののサスペンス要素が見事で、最後まで視聴者を飽きさせない作りが評価されたと言えるだろう。


7位の「ハイキュー!! TO THE TOP」は、人気作品「ハイキュー!!」の続編ということで、こちらは安定の人気。メインキャストが数名変更となり、ファンにとってはやや残念な面もあったが、クオリティはさすが安定のProduction I.G作品という感じで、ファンを楽しませてくれた。


なお、10位というややさえない順位にはなったが、NHKで放送された「映像研には手を出すな!」は、今期のアニメ作品の中では、ある意味もっとも特筆すべき作品と言える。「ピンポン THE ANIMATION」や「四畳半神話大系」など、その独特な作風で常に話題を振りまいてきた湯浅政明さんが監督を務め、アニメーション制作の面白さを、これでもかというほどに見せつけた本作は、湯浅ワールドをさらに押し進めた傑作として、今後も語り継がれそうだ。OP主題歌に起用されたchelmico(チェルミコ)も、現在大人気で、さまざまな面で、この1~3月期を代表するようなムーブメントを引き起こした。


このほかにも、今期は、コメディ作品やほんわかする作品を中心に意外な良作ぞろいだった印象だが、残念ながら本投票ではベスト10圏内に入ることができなかった。11位以下の結果については、下記のページを参照していただきたい。

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