【Steam】「あつ森」で“島”の魅力にハマったあなたへ。Steamの島ゲー3選!

アキバ総研をご覧のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買い過ぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。 みなさま、「あつまれ どうぶつの森」(あつ森)はプレイされていますでしょうか。かく言う筆者は、発売から3週間弱時点でプレイ時間が260時間を突破しまして、つまり1日平均およそ12時間以上島暮らしをしていることとなり、もはや僕がいる東京が現実なのか、それとも画面の中の島が現実なのか、あやふやになってきた今日このごろです。あれ? たぬきちたちがいる世界が現実......? ってことは記事を書いている僕はゲームのキャラ......?


そんな大人気の「あつ森」ですが、今作最大の特徴のひとつは「舞台が無人島である」ということ。海に囲まれた自然あふれる無人島でのんびり気ままに暮らすその「島ゲー」としてのスタイルが大きな魅力となっていますが、そんな「あつ森」人気に乗っかって、今回は、Steamで遊べる魅力的な島ゲーをご紹介していきましょう。



Don't Starve Together」


  • メーカー名:Klei Entertainment
  • 発売日:2016年4月22日
  • 価格:1,480円(2020年4月8日時点)

(C) All Rights Reserved Klei Entertainment 2016


サバイバル。それは、無人島と聞いて連想される言葉ランキングでベスト3に入るワード(独断)。「あつ森」では、無人島生活ではありながらも、おなかが減ったり、ダメージを受けたりといったことはないので、サバイバルという感覚は薄めですが、本作「Don't Starve Together」は、飢えも死亡も存在するゴリゴリのサバイバルゲームです。


本作の舞台は、絵本のような手描き風のタッチで描かれた奇妙な無人島。プレイヤーは、個性豊かなキャラクターたちの中からひとりを選んで、無人島生活を進めていきます。そんな本作の目的はただひとつ、できる限り長く生き続けること。ひたすらハイスコアを更新することだけが目的だったファミコン初期のゲームたちを思わせるようなストイックさです。


そもそも、本作のタイトルにある「Don't Starve」とは、日本語に訳すと「飢えるなよ」といった意味。その名のとおり、プレイヤーは飢えをしのぐために島を東奔西走することとなるのですが、本作には飢えを示す「満腹度」だけではなく、「体力」と「正気度」も存在します。



満腹度や体力はともかく、正気度とはなかなか不穏な香りのするパラメータです。クトゥルフ神話をモチーフにした、ゲームなどでは「SAN値」などの呼称で耳にすることがある正気度ですが、本作では、暗闇にい続けたり巨大モンスターに近づいたりすることで正気度が低下していき、その結果、幻覚や幻聴が起き始め、最終的に幻覚が影の怪物となってキャラに襲いかかるという恐怖のペナルティが待ち受けています。サラッと書きましたが、そうです、本作はモンスターが登場する世界なのです。



モンスターから逃げつつ、時には戦い、暗闇を照らすための灯りを作り、飢えを防ぐために、食料を確保して...と、とにかく「Don't Starve Together」のサバイバル生活ではやることがいっぱい。サバイバルのためには、素材を採取して道具をクラフトする必要があります。石と小枝で斧を作ったり、草と丸太で焚き火を作ったりというこの感覚は、「あつまれ どうぶつの森」でいうところの「DIY」に近いものがありますが、本作は道具をつくらなければ、死に直結。必然、素材集めはかなり必死になります。


特に、夜を越せるかどうかは生死を分ける大きな問題。本作では画面右上にゲーム内時間を示す時計が設置されており、ゲームを開始したら最後、ノンストップで時が刻まれていきます。時計の青色の部分が夜の時間を示していますが、この間はあたりが暗闇で覆われて、近くに灯りがなければ正気度がグングン減ってしまいますし、ついでにチャーリーという名の闇夜のモンスターがプレイヤーに襲いかかってくるので、本当に下手すると初日の夜にあっさり死んでしまいます。ちなみに、灯りがあっても暗闇では正気度はゆるやかに減ります。要するに結局、どうあがいても夜は正気を失うということです。なんて島だ!



正直、本作はゲームとしてかなり難易度が高く、慣れない内は1週間、いや3日すらも生き延びることができません。しかし、失敗を繰り返すたびに、知識やコツが少しずつですが確実に、自分の中に蓄えられていき、生きていられる日数も徐々に伸びていきます。プレイをするたびに自分のテクニックの上達を感じながら、次はもっと!と繰り返し遊んでしまいます。そんな中毒性を秘めた本作は、いわゆる死んで覚える高難度ゲーム「死にゲー」の良作のひとつであると言えるでしょう。


さて、そんな本作の大きな特徴は、実は「Don't Starve Together」という名が示すように、フレンドと一緒にサバイバルできるマルチプレイモードが実装されているという点にあります。


何を隠そう、本作は「Don't Starve」というゲームの「Together」版という立て付けであり、Steamで購入すると、フレンドにプレゼントする用の「Don't Starve Together」がもう1本付いてくる!という、うれしい仕掛けが用意されているのです。筆者は、そのもう1本を友人にプレゼントしたところ、友人の方がはるかにハマってしまい、知識もテクニックも大幅に上回られてしまいました。友人、おそるべし・・・・・・! そしてヤバい沼に引き込んでごめんな・・・・・・!


外出が、なかなか気軽にはできない昨今、仲のいい友人を誘って「Don't Starve Together」で、家にいながらワイワイ一緒にサバイバル生活を楽しんでみるというのもよいかもしれません。



ISLANDERS」


  • メーカー名:GrizzlyGames
  • 発売日:2019年4月4日発売
  • 価格:620円(2020年4月8日時点)

「あつ森」は、プレイを進めていくうちに、博物館やお店、そして住民たちの家など、さまざまな建物が並んでいくのも魅力のひとつです。自分だけの箱庭ができていく感覚は否が応でもワクワクしてしまうものですが、本作「ISLANDERS」も、島に次々と建物を建てていくタイプのゲームです。

(C) 2019 GrizzlyGames


島に建物を建てるゲームというと、「シムシティ」的なシミュレーションゲームを想像しがちですが、本作はジャンルで言うと「ストラテジー」というカテゴリーになります。しかし、プレイ感覚はパズルゲームに近い手触りとなっており・・・・・・とか言うよりも、実際にご紹介していった方が早そうですね! それではさっそくまいりましょう。


本作「ISLANDERS」のアクションサイクルは至ってシンプルです。2つの「パック」からひとつを選び、建物をもらう、次にもらった建物を島に配置してスコアを獲得する。そして、スコアがノルマを上回れば新しい「パック」をもらえる・・・・・・という行動の繰り返し。手持ちの建物が尽きる前にスコアノルマを達成できなければゲームオーバーとなってしまいます。


スコアは配置する建物に応じて獲得できますが、それだけではノルマに到達できません。キーとなるポイントはズバリ、「いい感じの場所に配置する」ことです。はい、ザックリした表現になりましたので説明しましょう。いい感じの場所というのは、たとえば木こり小屋なら周囲に木が生えている場所、製粉所なら畑の近くなど、相性のよい要素の近くということ。これにより、ボーナススコアが加算され、ノルマ到達へ手が届くようになります。



「じゃあとりあえずいい感じの場所に次々置いていけば、ザクザクスコアが稼げるじゃん!」と思いきや、もちろんそう簡単にはいきません。建物によっては、相性が悪い建物も設定されているのです。たとえば木こり小屋の周辺に別の木こり小屋を置くと、スコアがマイナスされるのですが、これは「おいおいオレの仕事場に入ってくんじゃねえよ!」みたいな感じで、木こりがよその木こりに対してお怒りになっているのでしょう。 さらに、「畑は砂浜には置けない」などのように、建物ごとに地形による配置制限も設定されています。この点もクリアしなければスコアを獲得することはできません。



できるだけ、ボーナスがたんまり得られる場所を狙いつつ、逆にスコアがマイナスされる場所は避けるべく、「ここがいい・・・・・・けどここじゃダメだ・・・・・・ここは置けねえ・・・・・・」などと建物を手に試行錯誤するというのが、本作の基本的な遊び方。熟考の末、建物をちょうどいい場所にピタッと置いて大量のスコアをゲットできたときの爽快感は、「テトリス」で棒をバシッと差し込めたときのあのプレイ感覚に近く、脳汁が出ること請け合いです。パズルゲームが好きな方ならほぼ確実にハマってしまうと思います。



ちなみに、本作には上記でご紹介した「ハイスコアモード」のほかに、スコアや配置制限などを気にせず、ひたすら島に好きなように建物を置ける「サンドボックスモード」というものもあります。ポップな雰囲気のグラフィックも相まって、なんだか童心にかえって積み木遊びをしているような感覚になり、なかなかまったりと楽しめるので、ゲームで頭を使ったあとのクールダウンに遊んでみるのもいいかもしれません。




シロナガス島への帰還」


  • メーカー名:TABINOMICHI
  • 発売日:2020年3月3日発売
  • 価格:500円(2020年4月8日時点)

「あつ森」の島は、自然があふれ、のんびりとした時間が流れる楽園のような場所ですが、ミステリー作品における島といえば、外界と絶たれ、恐ろしい事件が巻き起こる、いわゆるクローズド・サークルものの定番スポットです。
本作「シロナガス島への帰還」は、絶海の孤島「シロナガス島」を舞台に繰り広げられるミステリー・アドベンチャーゲームです。


(C) 2020 TABINOMICHIM


主人公は、ニューヨークで私立探偵を営む男、池田戦(せん)。謎の自殺を遂げた大富豪のひとり娘から依頼を受け、「父を自殺へと追いやったもの」の正体を突き止めるべく、助手の少女・出雲崎ねね子とともに、大富豪の遺書に残された「シロナガス島」へと向かう――という、まさにミステリー小説的導入で物語が始まります。ストーリーはこのあと、シロナガス島の謎に触れないようにと池田へ忠告をする名家の令嬢や、招待を受けた叔父の代理として島へ向かう女性内科医など、船の中でのさまざまな人物との出会いへと進んでいくのですが、ストーリーの話をする前にまず、筆者が本作で特に推したいポイントをご紹介しておきましょう。 それはズバリ、池田の助手である少女「出雲崎ねね子」の存在です。



目が隠れるほど長い黒髪とセーラー服が特徴的な出雲崎ねね子さんですが、彼女には「20数か国語をネイティブレベルに話すことができる天才少女だが、初対面の人間とは会話すらできない超絶コミュ障」という、かなり濃い設定があります。事実、池田以外の人物と対面すると、ねね子は毎度、池田のうしろにあわてて引っ込んでしまいます。かわいい。だけど気を許している池田にだけは「無能池田」など、いつも強気な態度で毒舌を炸裂させます。かわいい。

そんなかわいくてキャラの濃いねね子ですが、ある大きな特徴を持っています。それは、「一度見た光景を完全に記憶、再現できる完全記憶能力保持者」であるということ。この能力こそが、探偵・池田の助手として、彼の捜査の大きな手助けとなっていくわけです。



テキストを読み進めていくタイプのアドベンチャーゲームにとって、キャラの魅力というのは一番と言っても過言ではないほど重要な要素であると筆者は考えます。ストーリーがどんなに面白くてもキャラに個性が足りな<いと、読んでいてついつい飽きてしまうこともありますが、本作は、ねね子に限らずみんなキャラが立っていて魅力的。キャラ同士の会話のかけ合いも軽妙で、時にコミカルで時にシリアスとバランスもよく、普段小説を読まないような人でも、楽しみながらサクサクと進めていくことができるでしょう。

また、本作はテキストアドベンチャーゲームの定番である選択肢の要素はもちろん、画面上の気になる個所をクリックして調べたり、時間制限のあるシーンがあったりと、プレイを飽きさせない要素が豊富。小説や映画などでは味わえない、ゲームならではの体験と没入感が楽しめます。



ストーリーについては、ミステリーという本作の特性上、ネタバレを避ける必要があるため、筆者はここでは多くを語りません。池田たちが招かれたホテルの奇妙な構造や、ホテルで出会った少女・アウロラの謎めいた素性、そして巻き起こる惨劇と、物語を読み進めていく内に次々と新たな謎や事件が発生するので、ついついゲームを進める手が止まらず、どんどんシロナガス島の世界へと引き込まれていきます。ミステリーファンのみならず、テキストアドベンチャーゲームをあまり遊んだことがないような人にもおすすめできる作品です。


ちなみに、本作の作者である鬼虫兵庫氏は、「第二回講談社BOX新人賞Stones」という小説新人賞を受賞された作家で、何を隠そう、同じ講談社BOXの新人賞を受賞して作家デビューした筆者こと百壁ネロの先輩作家さんにあたるのです(とは言え、直接的なご面識はないのですが・・・・・・!)。それにしてもシナリオを書くだけでなくひとりでゲームを作ってしまうって、すごいっすね先輩・・・・・・。

Steamで魅力あふれる「島」に出かけよう!


Steamで遊べる、おすすめの島ゲー3作をご紹介しました。 こうしてジャンルもバラバラでバラエティに富んだ3作をご紹介してみて、筆者は改めて「島」という舞台の持つゲーム的な魅力を再発見できたような気がしました。考えてみれば日本も島国なので、もしかしたら私たちの中に「島」というものに対して魅力を感じる気持ちが、本能的に深く根付いていたりするのかもしれません。
というわけで、ぜひみなさまも、Steamで魅力あふれる島を見つけて、遊びに出かけてみてくださいね! レッツエンジョイ、島ライフ!


筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。

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