日本のアニメの中国語はなんだか恥ずかしい? 中国の4月新作アニメ事情【中国オタクのアニメ事情】

中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の4月版新作アニメの話題作の動向や、反応の傾向などについて紹介させていただきます。

配信スケジュールが混乱する中で大人気となる作品も


新型コロナウイルスの影響は日本のアニメ制作現場にも非常に大きな影響を及ぼしており、4月の新作アニメに関しても少なくない数の放映延期となる作品が出てしまいました。その中には中国でも大人気で期待が集まっていた作品も含まれていましたし、延期の情報が出るたびに中国のオタク界隈では不安と嘆きの声があがっています。
しかしそんな中であっても、人気となる作品がいくつも出ている模様です。

4月のシーズンの初動の時点で目立っている作品としては、まず「かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~」の第2期があります。
中国のほうで「かぐや様」は、アニメ第1期と原作マンガで高まった評価などから、始まる前の時点でも期待作のひとつではあったそうですが、大人気になるような雰囲気や話題性はそれほどない……といった見方もあったそうです。
しかし始まってみると以前からのファンに新規のファン、そして原作のファンからも高い評価を獲得することとなり、急激な再生数の伸びとともに現時点では4月の新作の中でトップクラスの人気の話題作となっている模様です。

この人気に関しては中国の感覚でも笑って楽しめるコメディという面白さ以外にも、中国におけるアニメ第1期の熱が冷めないまま第2期につながったことや、第1期と比べてクオリティがわかりやすい形で上がっていることなどが理由としてあるそうです。そしてそれに加えて、新規の視聴者や作品の記憶があやふやになっている人でも問題なく楽しめる、話題に入っていける作品になっているというのも大きいとのことです。

またほかの要因としては、中国で4月の期待作として注目と話題が集中していた「Re:ゼロから始める異世界生活」の第2期や、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」などの作品が延期になったことにより他作品のファンが流れ込んでいるといった事情の影響も考えられるそうです。

次に中国のオタクの間で予想外の収穫という評価とともに人気を獲得しているのが、「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」だそうです。
近頃の中国では日本のネット小説にありがちなテンプレをわかったうえで、さらにギャグやパロディを楽しむような動きも出ているという話ですが、この作品もそういったテンプレのうえに構築された笑いの要素や、各所に散りばめられたオタク向けネタの混じった演出が好評につながっているのだとか。

それに加えてこの作品の「悪役令嬢に転生してしまった主人公が生き残るためにあがいて勘違いをされる」というストーリーを新鮮に受け止める人も出ているそうです。
物語の悪役に転生なり憑依なりをするという展開は中国のネット小説にもあると聞きますが、そのようなストーリーをアニメで見ることはこれまでなかったようですし、日本のネット小説系作品独自の「乙女ゲーの悪役令嬢」という存在も、中国では珍しいものとして受け止められているとのことです。

またほかにも「プリンセスコネクト!Re:Dive」が最近の中国独自の事情による後押しも加わった興味深い人気の出方となっています。
中国のほうでは以前から「プリコネR」のキャラクターに大きな注目が集まっていたそうです。なかでも「臭鼬」(スカンク)の別名とともに中国のネットで近年屈指のネタキャラ扱いをされているキャルと、白い髪に赤い瞳の少女という中国のオタクの間で非常に人気の高い属性のデザインに加えて母性も備えているということから道を踏み外す人が続出しているらしいコッコロの2人は、作品関連にとどまらない広い範囲で話題となっていたそうです。
さらに以前からbilibiliでの配信が予告されていた原作ゲームの中国国内版サービスの審査がようやく通ったようで、4月の中旬からオープンベータが開始されることになり、中国のオタク界隈ではイロイロな方面で期待される作品になっている模様です。

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