【Steam】ジューン・ブライドで永遠の愛を! 「LOVE」がテーマのPCゲーム3選!

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。早いもので、もう6月になってしまいました。6月は、結婚すると幸せになれるという「ジューン・ブライド」の月。


正直、独身で結婚の予定もない筆者には、縁遠い言葉ではありますが、ゲーム「あつまれ どうぶつの森」内でもジューン・ブライドイベントが開催されていたりして、独身者の心を地味にえぐってきている感を感じる今日このごろです。


そんなわけで今回は、新郎新婦がジューン・ブライドで永遠の愛を誓い合うことになぞらえて、「LOVE」をテーマにしたSteamのゲームをご紹介していきます。


Love Letter」


  • メーカー名:Asmodee Digital
  • ジャンル:ストラテジー
  • 発売日:2018年10月24日
  • 価格:720円(2020年6月8日現在)

皆さんはラブレターを書いたことがあるでしょうか? ラブレターで告白というとなんだか古風なイメージもありますが、筆者は人生において3回ほどラブレターで告白をした経験があります。すべてフラれましたが。 というわけで、ご紹介する「Love Letter」は、その名のとおり、ラブレターをテーマとしたカードゲームです。


(C)2018 Asmodee Digital


本作は、日本のボードゲームデザイナー・カナイセイジ氏によるアナログカードゲームのデジタル版です。「Love Letter」は、2012年度の日本ボードゲーム大賞投票部門の大賞や、すぐれた新作ボードゲームに贈られるダイスタワー賞の2部門同時受賞、さらにドイツ年間ゲーム大賞推奨リスト入り、ドイツゲーム賞4位など、そうそうたる受賞歴を持つ人気ゲーム。かく言う筆者も実は、アナログ版の「Love Letter」を持っており、その昔、友人とスーパー銭湯の休憩所で延々朝まで遊び続けた思い出がよみがえります。


本作におけるプレイヤーの目的は、宮殿に閉じこもっている姫に、自分の想いをつづったラブレターを渡すこと。そのために、衛兵や僧侶、女中など、宮廷にいる人物の中から、自分のラブレターを届けてくれる協力者を見つけるというのが、ゲームの世界観となっています。

そんな本作ですが、使うカードの総枚数はなんとたったの16枚。この、限られた少ない枚数からさまざまな駆け引きや心理戦が生まれるという点こそが、「Love Letter」の大きな魅力です。



本作のルールはとてもシンプル。初めに各プレイヤーに1枚ずつカードを配り、その後、プレイヤーは自分のターンになったら山札から1枚引いて、手札の2枚の内から1枚捨てるというアクションを繰り返します。最終的に、「ほかのプレイヤーを全員脱落させる」か、もしくは「山札がなくなった際に最も大きい数字のカードを持っている』かによって、そのラウンドの勝者となります。ラウンドで勝つたびに、姫の好感度ポイントをゲットでき、決められたポイントに到達すれば見事、姫のハートを射止めてゲームクリアという流れです。


簡単に言えば、「1枚引いて1枚捨てる』を繰り返していくだけ。
この流れの中で、なぜ駆け引きが発生するのかというと、それは「カードを捨てた際に、カードに書かれた効果が発動する」というルールによるものとなっています。



手札の種類は全8種類。

相手の手札を推測して、
当てれば相手を脱落させられる「衛兵」
指定した相手と、自分の手札を比較して、カードに記された数字の低いプレイヤーが脱落する「男爵」
選んだプレイヤーの手札を見ることができる「僧侶」
選んだ相手の手札を捨てさせる「王子」
相手と手札を交換する「王」などは、相手を脱落させるキーとなる攻撃系カード。


自分の次のターンまで、攻撃を無効にする「女中」という防御のカードもあり、これは使いどころが、なかなか重要です。

上から2番目に高い数字・7である「伯爵夫人」は王もしくは王子が手札に来ると、捨てなくてはならないという特殊なもので、逆に、王も王子も手札に来ていないのに、あえて捨てることで、相手に誤った推理をさせるブラフ的な使い方もできます。



そして、最後に最も高い数字・8の「姫」は、捨てると敗北となってしまう効果であるため、引いたら最後、自分で捨てることも、相手に捨てさせることも、しないように死守しなければなりません。

ストーリー的に言えば、姫にラブレターを直接渡したということで、ラウンドの最後まで姫を守りきればば必ず勝利になるわけですが、「衛兵」に当てられたり「王子」に捨てさせられたりと敵は多く、恋愛成就の難しさを物語ります。



本作の肝は、山札の残り枚数と、これまでに使われたカードから相手の手札を推理し、ベストのタイミングでカードを使うことにあります。

「衛兵」でビシッと相手の手札を当て、「男爵」を使った数字勝負で、相手を脱落させたときの快感はひとしおです。

もちろんそのためには、ある程度、カードの引きという「運」が必要であり、本作は、その「運」と「戦略」のバランスがこの上なく絶妙となっています。たった16枚のカードから生まれる駆け引きは毎ゲーム新鮮に楽しめ、さらに1ゲームが短くサクッと終わるため、つい何度も繰り返し遊んでしまうこと請け合いです。


Steamで遊べるこのデジタル版は、オンライン対戦機能が実装されているので、CPUと遊ぶのに飽きたら、友達や見知らぬ誰かと「Love Letter」合戦を楽しむのも一興です。

興味が湧いた人はぜひ、16枚のカードが織り成す「Love Letter」の奥深い世界を体験してみてください。

LoveChoice 択愛」


  • メーカー名:Akaba Studio
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 発売日:2018年10月1日
  • 価格:205円(2020年6月8日現在)

「人生とは選択の連続である」とはシェイクスピアの言葉ですが、恋愛もまたしかりです。

「あのとき、ああ言えばよかった」
「あんなことをしなければよかった」
「勇気を出して告白すればよかった」

などなど、恋愛において誤った選択をしてしまった自分に対して、あれこれ後悔の念を抱いたことは誰もが、あるのではないでしょうか。
え、筆者だけですか? そうですか……。

そんなわけで本作、「LoveChoice 択愛」は、「選択」がテーマの恋愛ノベル・アドベンチャーゲームです。


(C)2018 Akaba Studio


やわらかくて、かわいらしい雰囲気の手描きイラストが、特徴的な本作「LoveChoice 択愛」は、3本の独立したショートストーリーで構成されています。


ゲーム開発イベントをきっかけに、出会った男女の物語「ラブ・ゲーム」
幼なじみ男女の、遠距離恋愛を描いた物語「愛・距離」
見知らぬ女性からかかってきた、夫への電話を発見した、妻の物語「愛・探偵」
の3本となっています。


今回はその中から「ラブ・ゲーム」をピックアップしてご紹介します。



「ラブ・ゲーム」の主人公は、ゲームクリエイターの青年。2日間の内に、チームでゲーム制作を行う「GameJam」というベントに参加した彼は、隣のチームにいるひとりの女性に気がつきます。

ほかのメンバーが全員休憩しているのに、ひとりだけノートに向い、懸命に絵や文字を書いている彼女のことがなんとなく気になります。

主人公は、思いきって話しかけようとするのですが……ここで選択肢が登場します。


「こんにちは、僕はXXXです。お友達になってくれませんか」

「僕たちのゲームアイデアを聞いてみませんか」


……うーん。なんだか、どっちもちょっと違う気がしつつ、自分のアイデアをいきなり聞いてくれと言うよりはあいさつのほうが無難かなと思い、筆者は前者の選択をクリック。



イベント終了後、彼女とチャット友達となった主人公。彼女の仕事のグチを聞いてあげながら、相槌を選択し、勇気を出して初めてのデートに誘います。映画を見に行こうということになり、何を見に行くかは、また選択肢形式。


「イオンマン」(SF)

「甘える女は勝つ」(ラブコメディ)

「呪淵」(ホラー)


……うーん。
ホラーはちょっとないとして、ラブコメもどうなんだろう……
というわけで、消去法でSFをチョイス。

彼女の反応は、よくも悪くもなく、と言ったところ。どれならよかったんだ……。



次にやるべきことは、デートに向けてグルメサイトでお店の下調べ。ここはミニゲーム形式となっており、それなりの成績でクリアをしました。

そしてついにデート当日。映画を見終わったあと、どこに食事に行くか、またしても選択肢が登場します。


「四川火鍋(四川風激辛しゃぶしゃぶ)」

「点都得(広東ヤムチャ料理)」

「越南味(東南アジア系)」

「スシジョ(回転寿司)」


本作の開発元が中国であるため中華料理系が多めの印象です。

うーん。激辛や東南アジア料理は初デートにしてはクセが強いような……
とは言え普通にヤムチャっていうのもあれかな……

ということで、寿司をチョイス。

彼女の反応は、今回もよくも悪くもなく普通。どれが正解だったんだ……。



食事を終えたあと、月明かりの下を彼女と並んで歩く主人公。
ちょっといいムードになってきたところで、彼は彼女と手をつなぎたいと考えます。そこで、何かひとこと言ってから手をつなごうかなと思い、選択肢が登場。


「あなたのことが好きだ」

「手、繋いでいい?」

「月がきれいだね」


え? これはさすがに2番目じゃない?

というわけで迷うことなく「手、繋いでいい?」を選ぶ筆者。
彼女の反応は「うん……」というもの。そして、主人公は彼女とついに付き合うことに。やった……んだよね?



その後、主人公は彼女と恋人同士としての日々を送ります。

長電話をしたり、ときにはケンカをしたり、同棲を始めてからは、彼女の仕事のグチを聞いてあげたり、散らかし放題にしてしまう彼女の代わりに掃除をしてあげたり……。もちろん、それぞれ選択肢が登場します。



こうして彼女と出会ってから3年の時が流れたある日、主人公のもとに、彼女から一通の手紙が送られます。
その手紙の内容は、これまでの3年間での、主人公の数々の選択に対する彼女の本心が書かれていました。
読んでみると、なんだか相当マイナスな意見が目立っています。どうやら筆者は、何もかも間違っていた模様です。普通にヘコむ筆者の前に現れたのは……。



「お元気で、さよなら。」


そう言い残して去っていく彼女の後ろ姿。……完全にバッドエンドでした。


しかし、これは決して、筆者の恋愛基礎能力が低いからではありません(いやホントに)。

この「LoveChoice 択愛」では、ほとんどの人が、初プレイで筆者と同じ結末にたどり着くと思います。

なぜなら、実は本作には、ある大きな仕掛けが存在するからなのです。

それが何なのか、ネタバレになってしまうため、ここでは詳細をご紹介することはできませんが、筆者はこのあともう一度「ラブ・ゲーム」のシナリオをプレイし、見事、彼女と結婚を成し遂げることができました。あと、普通にいい話すぎて、プレイしながら泣きました……。

オーソドックスな恋愛ノベル・アドベンチャーのようで、少しヒネリの効いた部分が面白い本作。ぜひ、あたたかなBGMとイラスト、そしてやさしいストーリーに、癒やされてみてください。大切なことは「相手のことを考えた選択」ですよ!


LOVE」


  • メーカー名:Fred Wood
  • ジャンル:アクション
  • 発売日:2014年2月8日
  • 価格:310円(2020年6月8日現在)

以前、「レトロ風ゲーム特集」の記事で紹介しましたが、「LOVE」がテーマのゲームの中でも、筆者をワクワクさせるビジュアルのレトロ風ゲームを発見してしまいました。
それが本作、その名もズバリ「LOVE」です。


(C) 2014 Fred Wood


本作は、ドット絵で描かれた、ジャンプアクションゲームです。
筆者は世代ではありませんが、「アタリ2600」や「インテレビジョン」などのレトロゲームハードや、昔のPCゲームなど、ファミコン以前のゲームを思わせる、独特のグラフィックが目を引きます。

ちなみに、ゲームの内容紹介に入る前にひとつ、お伝えしておきます。本作、めちゃくちゃBGMがいいです。BGMに関しては、グラフィックのイメージどおりだといわゆるピコピコサウンドになりそうですが、そうではなく、透明感のあるエレクトロテイストの、どことなく哀愁とレトロ感が漂う曲となっています。ぜひ、これは実際に聴いてみていただきたいです。


さて、そんな本作のルールですが、実に単純明快。白い障害物に触れたり、穴に落ちたりしないようにしながら、走って跳んでゴールに行く。ただこれだけです。基本的な操作は移動とジャンプのみとなっており、攻撃などのアクションはなく、敵やボスもいません。


(C) 2014 Fred Wood

ゲームモードは、残機100で16のステージのクリアを目指す「ARCADE」を始めとして、残機無限の「UNLIMITTED」、逆にたった1機でクリアを目指す「YOLO」、どれだけ早く16ステージをクリアできるかのタイムアタック「SPEEDRUN」、残機25で7つのリミックスステージのクリアを目指す「REMIX」と、多数用意されていますが、まずはオーソドックスな「ARCADE」をプレイするのがオススメです。



「ARCADE」は、先述のとおり、残機が100となっています。100です。これだけの数が用意されているということは、察しのいい人なら、おのずとわかるとは思います。そうです、難易度がやたらと高いのです。


基本は移動とジャンプ操作だけというシンプルなゲームながら、プレイヤーキャラの動きが結構素早く、ちょっとしたミスで簡単に即死してしまいます。穴に落ちる、トゲに当たる、上からポタポタ落ちてくるしずくに当たる、巨大回転ノコギリトラップに当たるなどなど、即死パターンのバリエーションは豊富。移動キーやジャンプキーを押す長さを少し誤ると、あっさりやられてしまうこのジャンプ調節の難しさは、ファミコンミニやNintendo Switch Onlineのファミコンに収録されている「アトランチスの謎」を思い出しました。



「死にゲー」と呼ぶにふさわしい難易度と、くじけずプレイし続けていると、確実に上達を感じられるプレイ感覚が、まさにレトロゲーをほうふつとさせる本作。、ですがひとつ、レトロゲーにはなかった大きな機能が実装されています。それは、「どこでもリスポーン(復活)機能」です。


たいていの場合、こういったアクションゲームは、やられてしまうとスタート地点や中間地点、もしくは通過した道中のチェックポイントからリスタートとなるのが常ですが、なんと本作ではSキーを押すことで、いつでもどこでも復活地点を設置することが可能。ちょっと進んで復活地点を置いて、ちょっと進んでまた置いて、という方法をとることができるため、頑張れば少しずつ先に進むことができるようになっています。


ただし、復活地点を置きすぎると、ゲーム終了後に表示されるスコアやグレードに影響してしまうので、スコアにこだわるならばできる限り、復活地点を置かないようにしなければなりません。


本作のタイトルは「LOVE」ですが、ストーリーは特にないため、いったいこのゲームのどこが「LOVE」なのか、正直に言うと筆者にはよくわかっていません。しかし、難しくも楽しい絶妙な難易度や懐かしくもクールなグラフィックなど、随所にあふれるレトロゲーへのリスペクトともとれる「愛」を確かに感じられる作品だなと筆者は思いました。

雰囲気のいいBGMもあいまって、一度遊び始めるとかなりクセになる本作。気になる人はぜひプレイして「LOVE」を感じてみてください。

ゲームは「LOVE」であふれている


というわけで、Steamで遊べる「LOVE」がテーマの3作をご紹介しました。


「これを作った人は本当にゲームが好きなんだろうな」という、作り手のゲーム愛を感じられる作品は、遊んでいて心地よく、いつまでも記憶に残るもの。ぜひ、皆さんも「LOVE」あふれる面白いゲームを探して遊んでみてください。 それでは筆者は、PCエンジンminiに収録されている「ときめきメモリアル」で、朝日奈夕子との「LOVE」をはぐくんできます!!

筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。

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