そこかしこで新型コロナの影響を意識せざるを得なかった 中国の4月新作アニメ事情【中国オタクのアニメ事情】

中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の4月の新作アニメに関する動向や、近頃の中国で評判のよい主人公像のひとつにもなってきているという女性主人公の人気の変化などについて紹介させていただきます。

新型コロナの影響を意識せざるを得なかった4月の新作アニメ


新型コロナの影響から普段とまったく異なる状況になってしまった4月のシーズンですが、中国のオタク界隈でもその影響はさまざまなところで出ているらしく、現地のオタクな人たちにとっても不安やモヤモヤの募るシーズンとなってしまっているとのことです。

4月のシーズンは開始前の時点で、中国で4月の期待作とされていた「Re:ゼロから始める異世界生活」の第2期と「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」が放映延期となったことから、何を中心に見るのか迷ってしまう人がかなり出たそうです。
さらにシーズン期間中にも人気作として話題が盛り上がっていた「とある科学の超電磁砲T」をはじめ複数の作品が配信延期となり、現地の視聴者にとっても日本のアニメを配信している動画サイトにとっても厳しいことになってしまった模様です。

中国のオタクな方の話によると、「とある科学の超電磁砲T」は、近年中国で配信された続編系作品の中では屈指の成功例となりそうな人気の再燃ぶりだったそうで、アニメ開始とともに戻ってきた古参のファンに加えて新規のファンも取り込んでの盛り上がりとなっていたそうです。
また人気の方向についても第3期から本格的な活躍が始まったヒロイン・食蜂操祈(しょくほうみさき)の人気が急上昇するなど、旧来のものとは違う新しい動きも出ていたのだとか。

それだけに断続的な延期が発生し16話以降も7月下旬に放送延期され、当面の間、新作アニメに関する燃料投下がなくなってしまったことは、仕方がないこととは言え、中国のファンにとってかなりガックリくる事態になってしまっているとのことです。

このコラムを書いている6月初めの時点では中国における4月の新作アニメの人気にあまり大きな動きはないようで、前回のコラムでも言及した、初動で話題と注目を集めた作品の人気がそのまま推移している模様です。
そのあたりについて大まかに紹介させていただきますと、まず人気も評価も安定して高いのは「かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~」だそうで、気分よく見られる高いクオリティとストーリーで、ライトな層から原作を読み込んでいる層まで盛り上がれるので大好評とのことです。
また「かぐや様」の第2期は、サブキャラにスポットの当たるエピソードが増えていることから、中国のオタク界隈ではこれまで人気だったキャラ以外の話題も増えているという話です。

それから「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」は、このご時勢において、各種演出やストーリー展開、散りばめられたパロディに対してツッコミを入れたりしながら気楽に見れるコメディ系の作品として歓迎されているとのことです。

そして「プリンセスコネクト!Re:Dive」は、4月の中旬から中国国内でのオープンベータが開始となった原作ゲームの後押しも受けて、高い人気と話題性を獲得するという、ほかの新作アニメとは少々違った部分も加わっての人気となっているそうです。
この作品に関してはアニメのほうでキャラクターの描写を重視しているのもプラスになっているとのことで、特定のキャラクターの情報とネタが先行して広い範囲に拡散していた中国において、ゲームのサービス開始でファン層が広まっていく流れとアニメの内容がうまくマッチして話題性と人気を高めている……といった面も見て取れるのだとか。

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