舞台「アサルトリリィ」では、劇場サイズを倍にして客席密度をクリアする大胆な施策も!! 株式会社ブシロードによる舞台コンテンツの今後が語られた記者会見レポート

この夏~秋に様々な2.5次元舞台公演を予定していた株式会社ブシロードが、同社の舞台の今後に関する記者会見を実施。株式会社ブシロード木谷高明会長らがさまざまな発表を行なった。

今回の会見では「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」「We are RAISE A SUILEN~BanG Dream! The Stage~」「アサルトリリィ」の三作品に関する発表が行なわれた。

舞台「少女☆歌劇 レヴュースタァライト-The LIVE-」は2020年7月3日~5日、新作公演の上演が予定されていたが、コロナ関連に伴う延期が告知済み。その代替策のひとつとして、初のオンライン公演「少女☆歌劇 レヴュースタァライト-The LIVE ONLINE-」を7月12日、日曜18時より開催する。ネルケプランニング策定のガイドラインの下、出演者とスタッフに徹底した感染対策、抗体検査を実施しているとのことだ。

木谷さんは「(オンライン公演は)最初はスタジオライブのみのイメージでスタートしましたが、スタッフやキャストの熱意もあり、予定されていた舞台の前日譚にあたるストーリーとライブ、トークパートのある舞台になりました。演出も含め、新しい舞台作品ができたのではないかと思います」と語った。

2020年7月15日~19日に予定されていた舞台「We are RAISE A SUILEN~BanG Dream! The Stage~」については、銀河劇場にて予定通り上演される。各公演において定点カメラによるインターネット配信を行なうほか、千秋楽公演は全国の劇場でライブビューイングを実施する。インターネット配信はライブ動画配信サービス「PIA LIVE STREAM」にて行ない、料金は1900円(税込)となっている。

「アサルトリリィ」についてはブシロードの岡田太郎プロデューサーが登壇。2020年9月に予定されていた舞台「アサルトリリィ 2020年9月公演(仮)」の正式タイトルを「舞台アサルトリリィ The Fateful Gift」とし、2020年9月3日~13日の日程で予定通り開催することを告知した。さらに5公演の追加公演を行なうことが決定した。

気になるのはコロナ対策だが、「舞台アサルトリリィ The Fateful Gift」は、会場を亀有リリオホールから東京建物Brillia HALLに変更する。会場サイズを倍以上にすることで、観客密度を半分にしても予定通りの観客数で公演が行なえるという“奇策”を岡田プロデューサーが発表すると、木谷さんも感心しきりだった。チケットについては7月11日~26日に一部公演で特別抽選申込を受付、8月8日より先着順一般販売を行なう。初日、千秋楽を含む複数公演で有料配信を予定しているとのことだ。公演の追加や開演時間の変更などもあるので、詳細は公式サイトを確認してほしい。

なお舞台に先がけ、1月に行なわれた舞台「アサルトリリィ League of Gardens」の映像配信が決定。1回目を7月下旬、2回目を8月上旬に配信する予定となっている。

会見後にはゲストとして、株式会社ネルケプランニング代表取締役会長の松田誠さんが登場して木谷さんと対談を行なった。ネルケの松田会長は、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」の企画立ち上げから関わってきたいわば盟友だ。

舞台業界の現況を聞かれた松田さんが「舞台業界では客席半分、あるいは無観客での公演に少しずつチャレンジしている状況です。だんだん状況がよくなっているきざしは感じています」と語ると、木谷さんも「新日本プロレスも今週末、(本来1万人クラスの大会場である)大阪城ホールに3500人入れて再開するんです。それでも嬉しくて、僕も大阪に行きます。見ないわけにはいかない。厳しい状況ですが、お客さんがサポートするためにネット通販でグッズを買ってくれたりするんです」と喜びを語った。今後の舞台界隈について松田さんは「どのジャンルでもリアルなものと配信が両立する未来になっていくと思います。エンターテイメントとして引き算するのではなく、配信だからできる楽しさ、面白さ、喜びを乗せていく時代になる」と語り、オンライン公演「少女☆歌劇 レヴュースタァライト-The LIVE ONLINE-」についても映像ならではのものになっていると太鼓判を押していた。

対談ではGallery AaMoで開催されている「バンドリ!&スタァライト展」展での舞台少女たちの武器展示についても語られ、木谷さんが舞台少女の武器がズラリと並ぶ壮観さを語ると松田さんも「きれいなレプリカを飾るより、舞台で使いこまれた物にはエネルギーが宿るんですよ!」と熱く語っていた。記者から武器が展示されていた他校の舞台少女たちの舞台公演への登場の可能性について聞かれた木谷さんは「声優と舞台の演者が同じであることにこだわっているので、いろいろと難しい点もある。個人的には見たいです」と答えていた。
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会見の最後は木谷さんが「ピンチはチャンス。世の中の新しい発明や習慣はピンチの時に生まれた物が多いと思います。この状況もひとつのチャンスだと考えてチャレンジして、新しいものを生み出していきたいです」と締めくくった。

(取材・文/中里キリ)

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